トリノアシ深海Ⅰに最近、「あなたは何モノ?」と問いたくなるような生き物をお目見えさせました。
“えのすい”では十数年ぶり!
新江ノ島水族館になったばかりのころに短期間ですが展示公開しましたので、チョー久しぶりです。
そのモノの名は、「トリノアシ」。
体を裏側から見ると節がいくつもあり、その姿は鳥の脚によく似ています。
一見すると植物のような姿をしていますが、立派な動物でウニやヒトデと同じ棘皮動物の仲間です。
その中でも「ウミユリ綱」に属していて棘皮動物の中でもっとも原始的、約 5億年前の古生代オルドビス紀の地層からこの仲間の化石が見つかっています。
・・・ということで実は、トリノアシはシーラカンスやカブトガニと並ぶ「生きた化石」なのです!!
海底では海に咲くユリのように冠部を海中に大きく広げて、海中の懸濁物を濾過して食べているといわれます。
トリノアシはメンダコと同じ底曳き網で採集されることはありますが、我々の乗船中にあまりその姿を見ることはありません。
しかもトリノアシはとても刺激に弱く、強い刺激を受けると体の節からバラバラになってしまい、良い状態で水族館に持ち帰ることが難しい生き物です。
昨年、採集できていたのですが水族館に持ち帰る途中でバラバラになってしまい飼育することができませんでした。
今回は、幸運にも網の中に入ることなく網の外に引っ掛かっていて、船上に放り出されたトリノアシをゲットすることができました。
そのおかげもあって、やっとの思いで展示にこぎつけることができました。
私も久しぶりの「トリノアシ」の飼育になります。
水槽の中でしっかり冠部を広げてくれていて、毎日ようすを見ることが楽しいです。
どこまで良い状態が保てるか分かりませんが、頑張りたいと思います。
今後のトリノアシに注目してください。
私の中では、イチオシ生物です!!
深海にひっそりと、“えのすい”深海Ⅰでもひっそりと・・・目立ってくれますように・・・。