2016年07月15日
トリーター:戸倉

さかなたちのひそかな抵抗

みんな一斉に寄って来ます!みんな一斉に寄って来ます!

以前、日誌[ 2016/ 03/ 25 みなさまをお迎えする前に・・・ ]でお話しした様に、相模湾大水槽には毎朝誰かが掃除のために潜水をしています。魚類担当トリーターで順番に行うので 1か月に 3~ 4回ほど当番が回って来ます。そして今朝は私でした。
「何かおもしろい写真が撮れないかな?」と思いカメラを持って掃除に入りました。先週の笠川トリーターによる[ 2016/ 07/ 08 今週のおすすめ ]に登場した「通称ジャブジャブ池水槽」に入ったとたん! 魚たちが一斉に寄って来ました。タカベ、ネンブツダイ、カワハギ、ソウシハギ、キタマクラ(フグの仲間)などなど、「うゎあ! 何事??」と思うくらい周りを取り囲まれてしまいました。理由は簡単。餌の時間だと思ったのです。でも「違った!」と分かったのか、タカベとネンブツダイは、サーッと離れて行きましたが、フグ系の魚たちは納得がいかないようで、しつこくまとわり付きます。


手袋の白い部分を突くカワハギ

特にカワハギとキタマクラは、体のあちらこちらを突いて催促をします。手袋の白い部分が“イカの切り身”にでも見えるのでしょうか?
そんな小魚たちの攻撃に耐えながら(くすぐったさに笑いをこらえながら)、ガラス面の掃除を終え、ジャブジャブ池を出ようと移動をしていると・・・何やら足元に大きな影が!!


ネズミフグが足元に!

ネズミフグが必死の抵抗でいく手を阻みます。この子は非常におっとりとした性格なので、他のフグ系の魚たちが全て終わった頃にこうして寄って来るのです。でも泳ぎもゆっくりですから難なくスルーできます。背中を“チョンチョン”とタッチして「じゃあね!」と水槽を後にします。

私は、相模湾大水槽の後、サンゴ水槽、サメ水槽と順番に入って掃除をします。サメ水槽ではプール底の沈殿物の回収です。


ツマグロと水槽の白い沈殿物


アップにするとこんな形

沈殿物の正体は「サメの歯」です。主にツマグロの歯ですが、サメの歯は“使い捨て”といっても過言では無いほど、次々と生え変わります。それもそうです。ボロボロの歯では獲物を仕留めることができませんから、常に鋭い歯にしておく必要があるのです。(うらやましい!)


ツマグロの歯

歯といっても形は様々で、部位(上顎、下顎、前歯、奥歯など)よって写真のように違いが見られます。あまり大きくありませんが、これでもスパッと紙を切ることができます。さすがサメの歯ですね。
開館時間でも、サメ水槽の掃除をおこなうことがありますので、ガラス越しに見かけたら、ぜひ手を振ってくださいね!

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