2016年09月13日
トリーター:鈴木

「ハモ」展示中です

ハモハモ

こんにちは、鈴木です。
実はさらっと 5月頃から展示しておりますが、沿岸水槽(相模湾大水槽脇のスロープ)の中の一つの横長の水槽に、夏の旬魚「ハモ」が入っております。
この魚、名前はけっこう有名で多くの方がおそらく一度は聞いたことがあるかもしれません。
お寿司がお好き方なら食べたこともあると思います・・ が、姿となるとどうでしょうか。
なんとなく細長くてアナゴみたいなやつでしょ・・? くらいで、実際きちんとどんな姿か思い浮かぶ方は意外に少ないのではないでしょうか。
トリーターの中にも今回の展示で顔を初めてちゃんと見た、という人もいたくらいです。

さて、そんなネームバリューはあるもののイマイチ姿がモヤっとして曖昧な「ハモ」ですが、実はえのすいでは今までうまく展示することができませんでした。
といいますのも、そもそも入手があまりできず、入ったとしても 1、 2個体でかなり傷ついて弱ってしまっているものなどが多く、長く飼育することができなかったんです。
ただ、今年はぜひ「ハモ」を展示しようといろいろと受け入れ環境を整えて望んだところ、運良くかなり良い状態のものが数多く入り(これが一番重要ですね)、さらに水槽にも早く慣れてくれて、さらにさらに、こちらで準備した餌を食べてくれたんです(時間かかりましたが・・)。
おそらく、こんな順調なハモの飼育は初の快挙かも知れませんよ。地味ですが・・ 。

今回安定して飼育できるようになったおかげで、「ハモ」について分かったことがいろいろとありました。
例えば、なんとなくデリケートなイメージを勝手に持っていましたが、かなり丈夫で水温変化などにも強い魚だったこと。
そこまで狭い隙間は好きじゃないと思っていましたが、アナゴ以上に狭い隙間を好み複数で密集すること。
あとは、細長いヘビのような魚たち、いわゆるニョロ系(アナゴ、ウツボ、ウナギなど)にも拘らず、ハダムシ(ベネデニア)と呼ばれる体に付く寄生虫が付きやすいこと(ニョロ系はベネが付かないというのがお決まりなのに・・)。などなど、その他にもいろいろと分かりました。
因みに餌は鋭い歯で捕まえ、豪快に丸呑みしますよ。
飼育できなかった生物が飼育でき、分からなかったことが明らかになる。トリーター冥利に尽きる最高に嬉しい瞬間です。

「ハモ」は日中にはだいたい水槽の右端の岩の隙間におります。
ただ、夜は結構泳いでいることがあります。そうです、お察しの通り夜行性です。
普通ならば夕方には閉館してしまうので、夜の姿は見ることができませんが、なんというタイミング!現在“えのすい”は「ナイトワンダーアクアリウム 2016」真っ只中ですよ。
夜 8時まで営業しておりますので、ぜひ煌びやかな夜の演出とともに、少し地味ですがぜひ夜行性の生き物たちも探しに来てくださいね。
ちなみに、頭が丸いには一緒に入っているアナゴですので要注意、シャープな頭がハモですよ。

夏が旬のハモ、季節は秋の入り口ですが、そんな夏の魚を秋にじっくりと見に来るのもなんだか通な感じで、私は良いと思います(^_^)
ぜひお待ちしております。

相模湾ゾーン

RSS