2016年09月27日
トリーター:岩崎

クサフグの秘密

今年最後の釣りワークショップが終わりました。
4月、 5月に開催したワークショップでは、魚影が薄く今年は大変苦労しましたが、水温が上がって来た 6月頃からは上向きとなり、夏休みを挟んだ 9月は、やっと好調となりました。
最終日は長雨の影響で、天気予報とにらめっことなりましたが、なんとか釣り終わるまで空がもってくれてほっとしました。
海も実りの秋といった感じで、本格的な釣りシーズンを迎えています。
ワークショップで初めて釣りを体験した方も、秋はたくさん釣るチャンスなので、これをきっかけにして、釣りにチャレンジしていただけたらうれしいです。

9月の釣りワークショップでは、昨年に引き続きクサフグがたくさん釣れましたので、大水槽の浅瀬、通称ジャブジャブ池に収容しました。

クサフグはとてもおもしろい魚で、 5月~ 7月の大潮の満潮時間に海岸に押し寄せて一斉に産卵することが有名です。
フグといえば毒を持っていることもよく知られていますが、産んだ卵にも親から受け継いだ毒が含まれているそうです。
命がけで浅瀬に乗り上げて産卵する他、卵を食べられてしまわないように、毒まで分け与えて子どもたちを守る親クサフグの愛情と生存戦略には感心させられます。
フグの毒は食べ物から取り入れていることは知られていましたが、さらに最新の研究では、生まれた子供のクサフグたちは、毒を含んだ生き物を積極的に食べることで、自ら有毒化していることがわかってきたそうです。
過酷な競争を生き抜くために、毒で武装するフグのたくましさ、あののんびりした風貌からは想像がつきません。

身近な生き物たちについても、わからないことがたくさんあることが海のおもしろさです。
ナイトワンダーアクアリウム 2016~月光に漂う水族館~Pat 2では、月の影響を受ける生物としてクサフグもピックアップして紹介しています。

秋の夜は クサフグたちも 舞い泳ぐ 月の光が 照らす水面へ 

詩でも詠みたくなるような秋の夜長、えのすいでお楽しみいただけたらうれしいです。


通称“ジャブジャブ池”

相模湾ゾーン

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