ガラス面に着くコバンザメとクロメバルきょうは、いつもの水族館が開館する前と、開館直後の朝の作業のときの出来事をご紹介致します。
私たち飼育スタッフは必ず朝の見回りをおこないます。何か動物たちや設備に異常は無いか? を気にしながら巡回をしますが、最近海岸水槽に仲間入りしたコバンザメの居場所が決まってきたようです。
コバンザメというと、大きなサメの下にくっ付いているイメージがありますよね。でも、あれはサメだからOKなんです。サメは皮膚が硬い細かなウロコ(楯鱗)で覆われているので、コバンザメの強力な吸着力でも耐えられますが、一般的な魚がもし吸着されたら、ひどいときには皮膚が剥がれてしまうほどです。ですから、みんなコバンザメが近付くと逃げてしまいます。
そんなことが繰り返されると、コバンザメも場の空気を読み? 徐々に遠慮していきます。
しかし、コバンザメは何かに着いていないと落ち着きません。そこでガラス面に着くのですが、これは水族館ならではですよね。逆にコバンザメの観察が出来るので、観る側としてはラッキーですが・・・
海岸水槽(湘南港)のここに居ます!
海岸水槽(湘南港)のガラス面ほぼ中央に居ますので、近くから見てくださいね。
さて今度は、ウミガメプールの掃除です。
デッキブラシを持ち、プール際に入ると必ず寄って来るカメがいます。きょうはアオウミガメの「クロ」が積極的です。寄って来て何をするのかというと・・長靴を咬みます。
白長靴のたわんだ部分をカミカミするアオウミガメの「クロ」
実は、ウミガメたちの給餌をするとき、必ずこの白長靴でプールに入るので、彼らは「ごはんの時間かな?」と思い寄って来るのですが、何かようすが違うと分かると苦し紛れに長靴を咬むのです。でもクロは本咬みでは無くいわゆる“甘噛み”を 3回くらいして離れて行きます。ちなみに同じアオウミガメの「レッド」は本咬みをします。
そんなウミガメの浜辺も季節が進み、シャリンバイもだいぶ実をつけています。
むらさき色の実をつけたシャリンバイ
色合い的には「ブドウ」のようで美味しそうですが、手では簡単につぶれないほど硬いので、鳥たちもあまり積極的には来ないようです。それでも昨年、鳥たちが食べた実の中にあった種子がフンとともにコンクリートの間に落とされたのでしょうか? そこからシャリンバイが芽を出し、今ではだいぶ大きくなりました。
コンクリートの隙間から芽を出して成長しているシャリンバイ
よく見ると根本に「ツワブキ」も葉を広げているようです。一緒に種を落としたのでしょうか?
そんなウミガメの動きと同じ、ゆっくりとゆる~い時間の流れているウミガメの浜辺にぜひお越しください。
ウッドデッキからウミガメと江の島と湘南海岸を眺めていると、きっと時を忘れてしまうでしょう。
そして富士山もこれからの季節は見える機会が増えますよ。