2017年01月13日
トリーター:戸倉

今週のおすすめ

ハタタテダイ ・ カゴカキダイ(相模湾ゾーン)ハタタテダイ ・ カゴカキダイ(相模湾ゾーン)

今週のおすすめは、魚たちの『眼』に注目をしてみたいと思います。
眼と言っても大きな目、小さな眼、などいろいろですが、今回は 4つのカテゴリーに分けてみました。
① 眼にも身体の模様が付いている。
② 瞳の形が特殊。
③ 大きくて目立つ眼。
④ とっても小さな眼。

では、①の「眼にも身体の模様が付いている。」からご紹介します。


ハシナガチョウチョウウオ(太平洋) ・ ハナミノカサゴ(相模湾ゾーン)

分かりますか?
身体のストライプ模様がそのまま眼球にも付いています。縦模様、横模様などさまざまですが、これは、眼を模様の中にいれてしまうことにより、その大事な眼を守ることに役立っているのだと思われます。いわばカモフラージュ作戦といえるでしょう。ただし眼球が動くと模様のラインがずれるので、かえって分かりやすくなってしまいますが・・・(^^ゞ

続いて②の「瞳の形が特殊」ですが、


カミナリイカ ・ シリヤケイカ(相模湾ゾーン)


ナポレオンフィッシュ(太平洋)

どうでしょうか?
上のコウイカの仲間は、瞳の形が「U型」になっているのが特徴ですが、よく見るとシリヤケイカの方がきれいなU型になっています。何だか寝ているような、おすましをしているような・・
一方、ナポレオンフィッシュの瞳は丸ではなく、上下がつぶれたような形です。この眼はカメレオンのように左右が別々に動きます。正面から見た写真の様に突出した眼をキョロキョロしながら水槽内を泳ぎまわります。眼の上の黒点が左右対称に付いていて、思わず「麻呂(まろ)」と呼びたくなってしまうのは私だけでしょうか?

次に③の「大きくて目立つ眼。」は、


クロメバル(相模湾ゾーン) ・ チカメキントキ(太平洋)

どちらも名前に「メ」が入る種類です。メバルは「目張」と書くように目が大きく張っているのが名前の由来です。メバルは比較的浅い海に生息する種類ですが、チカメキントキは逆に深めの海に生息しています。暗い海の中でわずかな光をキャッチするために大きな目をしているといわれています。
名前に「メ」は入りませんが、眼が特徴といえばカレイやヒラメの仲間を忘れてはいけません。私のおすすめは「ババガレイ」です。


ババガレイ(太平洋)

どうですか?
突出した眼がカエルみたいでかわいいですよね。この眼が左右バラバラにキョロキョロ動きます。ちょっと遠くや上の方を見るときに上半身?を持ち上げてしっかり確認をしようとする姿は、とってもユーモラスです。
(稚魚から成魚になるにつれて眼の位置が変化する件は、今回は省きます。)

最後に④「とっても小さな眼」の代表を紹介します。


ブルージェリー(クラゲファンタジーホール)

「えっ? クラゲに眼があるの?」
と思われた方もいらっしゃると思いますが・・・
“クラゲにも眼はあります。”
写真で見ると傘の縁に白く小さな点が見えますよね。これが眼です。
といっても、我々の目のように映像として見ることはできないといわれています。
明るいかな?暗いかな?と光の明暗を感じることができる、いわゆる「感覚器」で、その中に眼点と呼ばれる器官があります。
写真のようにクラゲの中でも、ブルージェリーが、その中でも色の濃い個体の方が、感覚器の確認がしやすいと思います。

以上ご紹介した種類は、ほんの一部です。
眼に特徴のある種類は非常に多いのですが、単に魚を見るのでは無く、テーマや観点を変えて見てみるのも、新たな発見につながるかもしれません。
今回は「眼」にスポットを当ててみましたが、「色」や「泳ぎ方」「ヒレの形や数」などなど、ぜひ自分流の観点でお楽しみください。

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