2017年04月24日
トリーター:杉村

メンダコ チャレンジ 2017 その 3 終章

メンダコメンダコ

メンダコ チャレンジ 2017 がスタートして、きょうで 31日目。
ついに 4月 22日、このチャレンジが終了しました。
飼育担当としては非常に残念です。

今回のチャレンジでは、底砂をこれまでより細かくしてみました。
飼育環境を少し変えてみたことで、これまでよりもちょっとメンダコが自然に近い状態で飼育できているのかな?と感じています。
メンダコは細かな底砂を自分の身体に砂をかけていて、体が砂に 1/ 3ほど埋まっていることが多く見られました。
ある深海の資料映像で、潜水船のライトを避けて海底の泥な中に潜っていくようすが撮影されていました。何もない海底で外敵から逃れるためやみを隠すには、海底の泥や砂に潜るのが一番ですからね。
そんなこともあり、飼育当初は非常に良好かと思ったのですが残念な結果に。。。
栄養不足?
光が強い?
外からの何かのストレス?
病気?
じつはもう寿命?
・・・などなど、まだまだ分からないことだらけです。
今後のためにも、これらの解明は重要ですね・・・ 苦悩は続きます。

傷の無い良い状態で水族館に持ち帰れることができれば、20日以上は飼育が可能になってきました。
数年前に比べれば、夢のようです。
何とか餌も毎年食べてくれるようになりました。
毎回毎回チャレンジの度に、飼育の条件を検証して何がいい条件なのかを探りながら飼育を続けています。
深海生物の飼育って本当に難しいですね。それだけに何とか 1日でも長く飼育して、生態を解明していかなくてはなりません。
そして、その技術をいろいろな飼育の難しい生物にも生かしていきたいと思っています。

まだまだ、“えのすい”の深海生物の長期飼育へのチャレンジは続きます。
今後の“えのすい”の「深海」を注目してください。

バックナンバー
2017/ 03/ 30 メンダコ チャレンジ 2017 その 1
2017/ 04/ 05 メンダコ チャレンジ 2017 その 2

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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