2017年05月23日
トリーター:戸倉

ぴったりくっついてます!

シイラに付くカイワリシイラに付くカイワリ

相模湾大水槽を泳ぐシイラもだいぶ水槽に慣れて来たようです。このシイラはスズキ目シイラ科の大型肉食魚で、表層を泳ぐ習性があり、釣りの対象魚としても人気が高くハワイでは「マヒマヒ」と呼ばれます。
オスは成長すると“おでこ”が大きく張り出してくる特徴のある姿をしているので、相模湾大水槽でも目立つ存在ですが、最近、このシイラにぴったりくっついて泳ぐ魚がいます!

スズキ目アジ科の魚で「カイワリ」といいます。
大きくなると 40cmほどになるのですが、幼魚期は他の大きな魚や、大型のクラゲに寄り添って泳ぐ習性があり、相模湾大水槽ではシイラに白羽の矢が立ったようです。

このカイワリは最近定置網により漁獲され、相模湾大水槽に仲間入りしました。シイラも“なんで?”と言う感じで最初は泳ぎ辛そうにしていましたが、最近は少し慣れて来たようで時々2匹のカイワリを従えて泳ぐ姿を見ることができます。

では、カイワリはなぜ大きな魚に付いて泳ぐのか?と言うと・・・
1. 他の大きな魚に狙われにくくなるから。
2. 餌のおこぼれを頂戴できるから。
. シイラの周りの水流がカイワリを巻き込むように流れるため、単独で泳ぐより楽だから。
などの理由が考えられます。

さて、
他に“ぴったりくっついている”といえば、ウミガメの浜辺で見ることができます。


アオウミガメ「ノンキ」に寄り添っている「シロ」

最近、いつもくっついているアオウミガメがいます。メスの「ノンキ」とオスの「シロ」です。
もうみなさんお分かりですよね! そうです。交尾行動です。このペアは現在同じプールを泳いでいる子ガメたちの親に当たります。
母ガメは一度産卵すると次の産卵まで 3年~ 4年のブランクを空けます。同じプールに泳いでいる子ガメたちは 2013年に産まれていますので、今年で 4年目。つまりタイミングとしては今年産卵があってもおかしくないのです。昨年までは、ほとんど見られなかった交尾行動が、今年は頻繁に観察されています。

母親の胎内にある卵胞は、受精をすることで卵殻を形成するといわれておりますので、近日中に「ノンキ」の超音波診断をおこなってみたいと思います。もし卵殻の確認ができれば産卵も間違いないと思います。あとは、いかに安心して産卵ができる環境を作れるか! となりますので、みなさんも静かに見守ってくださいね!!

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