2017年06月07日
トリーター:鈴木

地味かわいいヨリトフグはじめました

こんにちは、鈴木です。
最近、タカアシガニの水槽に新たな魚が仲間入りしました。
フグの仲間で名前は「ヨリトフグ」といいます。先月の定置網乗船で採集したものです。
漢字では‘縒糸河豚’と書き、如何にも何か由来がありそうですが、すみません、いまいちよくわかりませんでした・・。

釣り人の間では、釣り上げる際に大抵水を飲み、丸く膨んでいることで有名なようです(そのせいで糸が絡まり縒れてしまうから縒糸・・という説はあるようですが)。

場所によっては、カワフグやミズフグ、チョウチンフグとも呼ばれるそうです(体が柔らかく皮がたるんだようすや、身に水分が多いこと、水を飲んで膨らんだようすから来ているものと推測されます)。

さて、このフグは先の定置網に度々入り、何度か飼育経験はありましたが、長く飼うことができず、いつしか飼育が難しい魚になっておりました。
そこで今回は飼育環境を見直してみることにしました。

今までは定置網に入ることもあり、一般的な沿岸魚と同じ環境で飼育・展示をしておりましたが、このフグは深場を好み、深いところでは 400mくらいで生活をします。
そこで今回はなるべく低温で飼育し、思い切ってかなり冷たく暗い深場の水槽(タカアシガニの水槽)に展示してみることにしました。
すると、今までに見たことがないくらい落ち着いています。
以前までの環境では、忙しなく泳ぎ回ったり、端っこの方でじっとしていたりして、落ち着かない印象でしたが、今回は水槽中央でピタッと静止し見事な中性浮力で浮かんだりしながら、ゆったりと泳いでいます。

飼育環境が合っている魚の動きや表情はとても生き生きとしており、そうでない魚とは全く違います。
飼育がうまくいき、その魚本来の動きや表情が見られるということは、飼育員として最高に嬉しい瞬間です。
と同時に、どうして早く気付けなかったのか、と改めて未熟さを思い知らされます・・。

題名にも書きましたが、ヨリトフグは色味や模様がほとんど無く、とても地味なフグです。
さらに暗い水槽に入っていることもあり、より目立ちません。
ですが、もともとぼてっとした体で、さらにまん丸の目・・ よく見ればかわいい要素がたっぷりです。さすがはフグの仲間。
ファッション業界の造語でいえば「地味かわいい」(略して地味かわ!)がぴったりな気がします。

そんな地味かわなヨリトフグ、みなさんぜひ見に来てくださいね! \(^^)/

※「ヨリトフグ」の展示は終了しております。

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