2017年06月22日
トリーター:唐亀

あじさいとナゾ

バックヤードのクラゲ生産室の水槽に「ナゾ」と書いてある、正体不明のクラゲがクラゲファンタジーホールにお目見えしました。
以前お伝えしました、個人宅の水槽に現れたナゾのエフィラが育ったもので、あれからさらに月日が経ってもナゾのままで、ファンタジーホールでは「オキクラゲの一種」として展示しております。
実は地味にクラゲサイエンスに短期登場していたのですが、今回は明るい水槽で、涼しげなあじさいの様な薄紫色を御覧いただけるのではないでしょうか。
2017/ 05/ 17 あなたはだあれ?

前回の日誌で、このクラゲでは? と情報をいただいたクラゲがいました。
実は、私も画像の絵合わせでもしかしたら、このクラゲに近いのでは・・・と思っていたのがPelagia benoviciでした。もっとも、Pelagia属(オキクラゲ属)で検索すると、これとPelagia noctiluca つまり所謂オキクラゲ位しかヒットしないのですが・・・。
このbenovici種はイタリアで突如大量発生し、調べてみると新種であり、船のバラストタンクに侵入してきた外来種でした。
オキクラゲに似て、特徴的な馬蹄形の生殖腺を持っているというこのクラゲは容姿、生殖腺の形(前回「田」の字と表記しましたが、写真で見る限りそっくりです)もほとんど変わりません。
ただ、benovici種の傘は綺麗な金色を呈しているのですが、ナゾは薄紫色。色彩的には全然違うのです。

この隣にはプロカミアがおりまして、こちらの口腕は白いあじさいを思わせます。
そしてナゾは薄紫のあじさい。ファンタジーホールのアジサイ水槽というところでしょうか。
もう間もなく終了となります「海中のあじさい水槽」と併せて、ぜひご覧になってください。
そして、何方かナゾの正体を見破ってください。


クリサオラ・プロカミア
 
話逸れますが、本家「海中のあじさい水槽」にさりげなく揺蕩う「ナンヨウツバメウオ」。御存知の方もいらっしゃるかと思いますが、相模湾キッズ水槽で育ったものです。
あじさいの花をめぐるアゲハチョウのようで、かわいらしく個人的にお気に入りなのですが、実は「海中のあじさい水槽」を手掛けた女性トリーターが、港で幼魚を掬ってきたものなのですよ。


ナンヨウツバメウオ

クラゲファンタジーホール

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