2017年07月17日
トリーター:戸倉

気付いた?

新しく仲間入りしたトラフザメの雄新しく仲間入りしたトラフザメの雄

今からちょうど 1週間前の 7月 10日(月)に、トラフザメの雄が新しくサメ水槽に仲間入りしました。みなさんは、気付きましたでしょうか??
現在トラフザメは 3頭になっています。

以前から水槽に入っていた2個体は共に雌ですから待望の雄個体となります。この雄は 5月 17日(水)に水族館にやって来て、バックヤードの水槽で 2か月間、人の手から餌を食べるように馴らし、更にダイバーがウエットスーツで入ってもびっくりしないようにトレーニングをおこないました。
トレーニングをおこなうには訳があります。

まず、人の手から餌を食べるようにするのは、水槽に投入した餌を慣れている他個体が全て食べてしまい、この雄個体が食べられなかった時の緊急処置として手から直接食べることができるようにしておく必要があるからです。
ただ、今のところは我々の心配をよそに、投げ入れた餌でもじょうずに食べているようです。

そしてウエットスーツのダイバーに馴らすのは、掃除でダイバーが水槽に入ってもびっくりして水槽から飛び出したり、興奮して壁に追突したりしないようにするためです。
しかし、この雄個体は比較的のんびりやさんのようで、当初、強制給餌(口内に強引に餌を入れて食べさせる処置)を 2回ほどおこなった後には、自分から食べるようになりました。更に水中でダイバーに保定されていても、目の前に餌が来ると、何事もなかったかのように食べるのです。


捕まっていても食べます!


シートの中に誘導するようす(初期)

この落ち着きっぷりを利用して、輸送時のシートに馴らすトレーニングもおこないました。バックヤードの水槽から展示の水槽に移動する際に、袋状のシートに収容して運搬をするので、水中に沈めた袋状のシートの中に自ら入るようにし、その中でも落ち着いている。と言うトレーニングです。
最終的には袋の中の水を減らし、シートごと水中から持ち上げる所まで行いましたが、以上の行程を何度も何度も行った結果、パニックになること無くシートの中で落ち着いて移動することができました。


3頭で仲良く並ぶこともあります。(中央が雄)

トラフザメ 3頭の内、一番小さいのが雄です。今後大きく成長し、現在いる雌との間に交尾が見られ、有精卵が採れれば、インパクトのある色のトラフザメの赤ちゃんの姿を見ることができると思います。その時は再びこの日誌で紹介できれば・・と思います。
まずは、この雄個体には健康的に大きく育ってもらうことが大事ですね。

太平洋

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