9月は「ク( 9)ラゲの9月」、館内各所にてクラゲのイベントが始まりました。
テーマ水槽も伊藤トリーターが紹介(2017/08/31 ヒメツバメウオ、相模湾へ)した通り、いつもの見た目とはだいぶ異なっています。
正直、この 6つの水槽をクラゲで埋めるのは大変で、特に下段の水槽はどう展示すれば良いのか悩みました・・・。クラゲのお月見水槽というイベントは決して珍しくありませんが、“えのすい”の月見水槽は他と違うところがいくつかあります。
まずは、マニアックなミズクラゲの展示について。“えのすい”のバックヤードでは、海外産ミズクラゲのポリプを何種類か飼育していますが、常設展示に並ぶミズクラゲのなかまは近海のミズクラゲとキタミズクラゲの 2種類しかいません。これは、クラゲ担当のリーダーが、見た目があまりに似ている個体はなるべく展示から避けるようにとしているためです。ならば、逆にテーマ水槽の出番がくる時までに溜めておこうと思い、期間限定の展示としてみました。
今回“えのすい”初展示のアウレリア・ラビアータは 2010年にバンクーバー水族館からポリプをいただき、7年経って展示となったわけです。その他、東南アジア産のミズクラゲも展示していますが、こちらも期間限定展示です。全体的に紫色っぽいミズクラゲはタイ産、黄色っぽいミズクラゲはフィリピン産です。あくまでも個人的な感想ですが、日本産の繁殖個体よりも東南アジア産の方が触って痛い気がします・・・。
ミズクラゲはどれも同じように見えてしまうかもしれませんが、全体的な色合いや口腕などのつくりをよく見比べてみると、いくつか違いがありますので、ぜひこの機会に観察してみてください。
そして、もう一つのおすすめは「食べる月見」の水槽です。
月見そばや月見うどんに欠かせないのが卵の存在。今回は「食べる月見」に見立てたクラゲ展示もあります。別名目玉焼きクラゲとしてコティロリーザ・ツベルクラータが食品サンプルとともに登場しています。常設とは違ったクラゲたちもお楽しみください。
若干やりすぎた感もでていますが、生体は全て“えのすい”生まれの繁殖個体と真面目に準備をしておりました。いつもと違った 9月限定のクラゲ展示、ぜひご覧ください。