2017年10月11日
トリーター:佐野

旅立ち

最後の体重測定最後の体重測定

先月 22日にアオウミガメの保護個体「チガサキ」を放流いたしました。保護当時の様子などは 9/ 13の戸倉トリーターの日誌 [2017/09/13 まもなく大海原へ!] に書かれていますので、今日はその続きの放流についてお話しします。

放流当日、最後のサイズ測定を行いました。ほんとに大きくなりました。
続いて最後の給餌後、トリーターたちに見送られ、水族館を出発しました。実はみなさまの前には登場することはありませんでしたが、バックヤードではアカウミガメの幼体も 7月に保護されていたため、同時に放流しました。
こちらの個体は茅ヶ崎海岸で衰弱して打ち上がっていたところを発見され、当館へやって来ました。

江の島漁港にはこのアカウミガメの発見者の方々もお越しになり、元気な姿をご覧いただいた後に、お見送りをしていただきました。
船の上では時折じたばたしたものの、おとなしくしてくれていました。漁師さんの船で定置網のはるか沖合の地点まで運んでいただき、1個体ずつ放流しました。


チガサキ放流

いざ放流でチガサキたちを抱えると、瀕死状態だった当初のことなどが一気に思い起こされたのですが、そんな私の思いをよそに、いずれの個体も、手を放すとあっという間に船から離れて波間に消えていきました。


アカウミガメ放流

2個体とも、まだ小さく、このサイズのウミガメの野生でのデータは少なく、見つかるのは全国的にも稀です。採捕されれば、また新たな知見が得られることでしょう。


海へ

放流から 3週間が経とうとしていますが、今のところ、漂着や採捕の連絡は届いていません。うまく外洋に出てくれているといいのですが。大海原を生き抜いてくれることを切に願うばかりです。どうか元気で。

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