2018年03月21日
トリーター:戸倉

ナポレオンフィッシュの合理的な行動と極寒の春分の日

ナポレオンの退避行動?ナポレオンの退避行動?

さあ、きょうは「春分の日」です。この日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」ことを趣旨としているそうですね。恥ずかしながら私は知りませんでした。(^^ゞ 
まあ「昼と夜の長さがほぼ同じになる。」といった方がおなじみだと思いますが・・・

“生物をいつくしむ”と言えば水族館では「飼育されている生きものたちが、いかに快適に過ごせるか?」を毎日追求し飼育環境を整えています。(ということは毎日が春分の日??) 水槽掃除もその一つで、もちろんお客さまにご覧いただくわけですから綺麗な水槽に越したことはないのですが、動物の状態をしっかり観察するためにも、綺麗である必要があるのです。
そこで毎朝、開館前に掃除をするのですが、“太平洋”のメガネモチノウオ(ナポレオンフィッシュ)がいる水槽を掃除すると、写真のようにナポレオンフィッシュが不思議な行動をとります。掃除道具を入れてしばらくすると、体色を少し黒っぽくして横になり、動かなくなってしまいます。
これは、動く掃除道具に当たらないように自ら考えた(身を守るための)退避行動ではないか?と思います。(目だけはキョロキョロ動いていますが・・・)これは、体が大きいので「水槽内を都度逃げるよりも逆に動かない方が合理的で安全!」と学習したのだと思います。
ただ、体色を変えているので緊張しているのは確かですね。実はドキドキしているのかもしれません。当然こちらも当たらないように気を付けて掃除をします。

一方、掃除道具をまったく気にしない子がいます。


イシガキフグのナギちゃん

そう。先日「さかなクン家(ち)」からやって来たイシガキフグのナギちゃんです。逆に掃除道具に近寄って来るので当たらないようにこちらが気を使います。→何か大物っぷりの片鱗が垣間見えます。

そんな掃除をしている合間に、外はどんどん気温が下がり、雨がみぞれ交じりになったかと思ったら、とうとう雪に変わってしまいました。
ウミガメプールの水温と気温の差がどんどん大きくなり、プールから湯気があがり、まるで温泉のようになっていました。


“草津の湯畑”のように湯気のあがる「ウミガメの浜辺」

さすがに、甲羅干しに浅瀬に登って来るウミガメは 1匹もいません。
そんな中「ウミガメにタッチ」のプログラムに参加していただいたみなさま、ありがとうございました。

太平洋

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