4月 3日よりJAMSTECの東北海洋生態系調査研究船「新青丸」に乗船して、小笠原海域の水深 1,270~ 1,300mの熱水噴出域より、飼育研究用にシチヨウシンカイヒバリガイという深海性の二枚貝(パエリアなどに使われる「ムール貝」に近い仲間)をサンプリングしてきました。
この二枚貝は、体内のえらの組織中にバクテリアを共生させています。
この共生バクテリアは、熱水噴出孔より噴出する熱水に含まれている硫化水素を利用してエネルギーを産出するという特徴を持っていて、シチヨウシンカイヒバリガイはこの共生バクテリアからエネルギーを得る、というとても不思議な生態をしています。
ですが、その共生バクテリアやシチヨウシンカイヒバリガイ自身の生態に関する詳細な情報は少なく、その未知の生態を探るため飼育研究を行っています。
“えのすい”では、これまでに開発してきた深海生物の飼育技術を使用して、飼育水槽内に疑似的に深海の熱水噴出域のように硫化水素を発生させ、シチヨウシンカイビバリガイを長期に飼育を行いながら、どのような行動をとるのかや体内の共生バクテリアにどのような変化が生じるなどを JAMSTECの研究者の皆さんと一緒に研究しています。
※深海には簡単にいくことはできませんし、現在の技術では深海の現場で実験や研究をおこなうことはできません。
ですから、陸上の飼育水槽で長期的に飼育しながら研究することは、とても大切なことなのです。
深海Ⅰ~JAMSTECとの共同研究~の中央の丸い窓から飼育研究中の水槽を見ることができます。