2018年09月23日
トリーター:鈴木

オオホモラは背負いたい

こんにちは鈴木です。
深海Ⅰにオオホモラというカニがおります。
姿や立ち振る舞いがすでにユニークなカニですが、特にユニークな部分がいちばん後ろの脚なんです。
よく見ると上の方に反り返って、さらに先端がカギのようになっております。
明らかに何かを挟みやすそうな形をしておりますが・・・それもそのはず。実はこのオオホモラ、自然界では貝殻や海綿(時にはヒトデやイソギンチャクなども)をこの脚で背負い、周りの環境に紛れて身を護る習性を持っているんです。

そして先日ある事件が・・・。その頃の飼育水槽にはオオホモラが背負えるようなものを入れておらず、オオホモラの方もおとなしくしていたので大丈夫かと思っていましたが、ある日朝見ると、同じ水槽に入れていたオキナマコを背負っているではありませんか!
当然、体の柔らかいナマコを棘のついた脚でがっちりと挟むわけですので、背負われたナマコがボロボロに・・。やはり何か背負っていない日々はさぞ不安だったのでしょうね・・。

これはまずいと、以前拾ってきた流木のかけらを入れておくことに。
すると翌日さっそく背負っていました。(写真はその時のものです)
ただ、一応これで身を隠しているつもりなのでしょうか。
小さいものを持っていると逆に目立つような気もしますが・・・(なんとなく満足気な顔がかわいい)
水槽には比較的大きな木も入っており、ある時には持っておりましたが、大きすぎて重たかったのか最近はこの小さいのがお気に入りのようですね。

持っているかいないかは彼らの気分次第ですが、ぜひ探してみてください!

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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