2019年11月11日
トリーター:佐野

安全な採血への道

今朝は月に一度のウミガメの定期採血です。何度かトリーター日誌でも紹介していますが、ウミガメの採血は 4人でウミガメを保定して 1人が採血をします。
大きくて力のある動物を保定するのは人とウミガメの両者にとって大変なことです。そこで、海獣類で実施しているような動物に協力してもらう採血方法を目指してトレーニングを開始しました。

まずターゲットを見せて「ターゲット=そこに行くと良いことが起こる物」であることを覚えてもらえます。
その後、採血位置まで誘導するのですが、これがとっても難しいのです。
これまでアカウミガメたちにとって、採血位置である浅瀬は「そこに行くと捕まえられて針を刺される嫌な場所」というイメージがばっちり植えつけられてしまっているのです。なので、勢いよくターゲットに付いて来た! と思っても、浅瀬手前ではたと気づいてきびすを返してしまうこともしばしばでした。
これを何度も浅瀬で餌を与えることで、浅瀬への悪いイメージを取り除いてゆきます。

なんとか浅瀬まで上がって来てくれたら、針に刺されることにびっくりしないように慣れさせます。
ウミガメの場合、首から採血するのですが、この刺激に慣れさせるためにつまようじが登場します。上がってきたカメの首にぷすっと刺します。その後プールに戻して餌を与えます。

今朝、いざこの方法で採血を試みました。
結果は・・・できたっちゃできたというのが正直なところです。採血はできたものの、途中で嫌になってしまったり、採血に時間がかかってしまったりしたため、目標は達成したけれど・・・でもまだやれる・・・!といったところでした。
今後もトレーニングを続けて安定安全の採血を目指していきます。

ウミガメの浜辺

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