2020年01月06日
トリーター:伴野

学名をじっくり見てみよう

みなさん、こんにちは。
今年も1年よろしくお願いします。

いきなりですが、みなさんは水族館や動物園で種名板をご覧になる際、学名に着目することはあるでしょうか?
何やら斜体で、しかも難しそうなラテン語で書いてあるのでなかなか馴染みにくいですよね。

そこで今日は生き物の学名についてご紹介。
少し講義のようなお堅い話になりますがお付き合いください・・・
後半は写真もでてきますからね!!
前半大変なら後半だけでもお楽しみに m(_ _)m

学名というのは全世界共通で通用するもので、18世紀にスウェーデンの植物学者カール・フォン・リンネによって提案されました。
それまで国や地域によって、同じ種類の生き物でも呼び方がばらばらでしたが、ラテン語を使った二名法という表記で統一をしました。
二名法はまず初めに属名、次に種小名で表します。
属名は似ている生き物をグループ分けしたもの、種小名はその種類の特徴を示した言葉になります。

では、早速イルカショースタジアムでくらす種類の学名に注目。


Tursiops truncates
  Tursiops: イルカのような顔
  Truncates: 先端を断ち切る
 → 吻先が短いイルカのような顔の生き物:バンドウイルカ
  回りくどい!!(笑)


Lagenorhynchus obliquidens
  Lagenorhynchus: ボトルのようなくちばし
  Obliquidens: 斜めの歯
 → ボトルのようなくちばしに斜めの歯を持つ生き物:カマイルカ
  斜めの歯!? チェックだ、チェックだ!!


カマイルカ「クロス」の口内写真

どうでしょう?
言われてみれば少し斜めのような気がしないでもない気がします。
隣で写真を見比べているA山トリーターは、確かに曲がってる!!と反応しております。


バンドウイルカ「サワ」の口内写真

うーん、「クロス」と比べたらこれは真っ直ぐなのかなぁ・・・

そんなに曲がっていないと思ったそこのあなた!!
Gooleで【カマイルカ 骨格 歯】と検索してみてください。
どうやら外から見える所より内部が曲がっているようですよ。
気になることがすぐに調べられる!いやー便利な時代ですね。


Grampus griseus
  Grampus: 大きい魚(くじら)
  Griseus: 灰色の
 → 灰色のくじら
  そのまんますぎる!!


ハナゴンドウ「ビーナ」

確かに灰色です。
そして下顎に控えめに生えている6本の歯がなんともいえません。


みなさん、いかがでしたでしょうか。
学名と聞くと難しそうな響きですが、意味は意外と単純なものが多いです。
水槽をのぞく際は、隣にある種名板もあわせて見ることをおススメします。
生き物の名前は、外見、特徴、生息地、見つけた人物などが由来になっていること多いです。

気になる生き物、名前を見つけた際はまずはトリーターへ、次にGooleですよ。

今回は鯨類の学名に注目しましたが、水族館には魚類も鰭脚類もいますからね。
次は鰭脚類編かなぁ~。

それでは本日はこの辺で!!

イルカショースタジアム

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