2020年03月17日
トリーター:杉村

ゴエモンが脱皮!!

ゴエモンコシオリエビゴエモンコシオリエビ

えのすいで、“ゴエモン”といえば、“ゴエモンコシオリエビ”のことです!
臨時休館が始まって、いつもよりゆっくり水槽のゴエモンたちを観察していると、背中の個体識別用のナンバーがない個体を見つけました。
個体識別用のナンバーは、しっかり接着剤でくっつけているので、簡単には外れないはず。
しかも良く観てみると、体が他の個体と違って綺麗で、甲羅が薄く透けているように見えました。

※ゴエモンコシオリエビは自分の胸毛にバクテリアを繁殖させて、食べています。
 バクテリアは、海水中の硫化水素を利用して繁殖しますので、通常飼育していると、胸毛だけでなく体中の毛や甲羅の表面がバクテリアまみれになってしまいます。

このことから脱皮していると判断して軽く触れてみると、やはり甲羅はまだ柔らかいままでした。
現在飼育中のゴエモンたちは、2018年11月に沖縄トラフの水深1,000m付近の熱水噴出域から採集されて、長期飼育実験用に“えのすい”にやって来ました。
飼育日数は本日で483日(約1年4か月)を数えます。
これまでの最高飼育日数は1193日(約3年3か月)でまだまだ及びませんが、前回に比べ生存率も良く、脱皮個体も同様にみられていることから、徐々にではありますが飼育環境が整ってきているのかもしれません。
ですが、これまでの脱皮から成長率が非常に少ないことが分かっていて、この成長率が正しいのか、それとも飼育環境において何か足りないファクターがあるのか、まだまだ分からないことが多く残っています。
今後も飼育を進めながら、慎重に探っていきたいと思います。

“えのすい”では臨時休館の間、YouTubeにて館内のようすをLIVE配信していますので、ぜひご覧ください。
休館中の生きものたちの元気なようすをご覧になりながら、この大変な時期を乗り切ってください!!
頑張りましょう!!


脱皮個体(中央左の個体)

胸毛で育てたバクテリアを食べる「ゴエモンコシオリエビ」

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