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えのすいトリーター日誌

2020.06.13 トリーター:八巻

2020/06/13 イソギンチャクっぽい生き物


こんにちは、八巻です。営業再開して2週間が経ち、少し落ち着いてきました。
ここしばらく映像から生き物を同定(種類を調べること)する作業を行っていまして、イソギンチャクっぽい生き物の同定で苦労しています。そこで、改めて水族館にいるイソギンチャクっぽい生き物を探してみましたのでご紹介します。

イソギンチャクのような触手様の部位を持つ生き物は意外と多く、ぱっと見イソギンチャクっぽい生き物は結構いますが、まずはそもそもどのような生き物をイソギンチャクと呼んでいるか、確認したいと思います。
生き物は姿かたちとDNAの情報をもとに、グループ分けされています。分類の仕方には諸説あるものの、イソギンチャクについては図のような分け方が一般的です。


図1

つまり、イソギンチャクとは、動物を30近くにグループ分けした「門」のうち、刺胞動物門で、さらに細分化されるグループの花虫「綱」、さらにその中の六放サンゴ「亜綱」のイソギンチャク「目」に分類される生き物のことです。この後に、科、属、種とさらに細分されます。

まず門レベルで違うけど、よく似た生き物を探してみました。例えば、ウミシダ(棘皮動物門)やケヤリムシ(環形動物門)のなかまは一見するとイソギンチャクのようです。しかし、これらはよく見ると、触手のようすが違いますので、すぐに見分けられます。


深海Iコーナーのウミシダ類


暖かい海水槽のケヤリムシ

刺胞動物門は、イソギンチャクの含まれる花虫綱の他にも、クラゲなどがいます。クラゲは同じ刺胞動物ですが、姿かたちや生活様式がイソギンチャクと大きく違いますので、ウミシダやケヤリムシよりイソギンチャクに近い分類群とは思えないくらいです。しかし、「刺胞」という毒針を持つという点では同じで、クラゲに刺されると痛いですし、イソギンチャクも毒の強いものは、刺されればとても痛いです。
ところがちょっとややこしいのが、いわゆる「クラゲ」は門レベルで異なり、刺胞がない生き物も、その姿かたちから「クラゲ」と呼んでいたり、刺胞動物のクラゲでも一生の生活環のうち一部の世代だけを「クラゲ」と呼んでいたり、しかもその生活環も種類によって異なったりします。かくいう私もちゃんと理解できておりません…。とはいえ、いわゆる「クラゲ」とイソギンチャクを見分けるのはとても簡単といえますね。
イソギンチャクと(刺胞動物の)クラゲが同じ分類群だと一目で分かるのは、やはりクラゲのポリプと見比べた時でしょう。クラゲはふわふわと浮いている世代のほかに、イソギンチャクのように何かにくっついている世代があり、それを「ポリプ」と呼びます。このポリプはイソギンチャクによく似ているので、ポリプ世代のクラゲはイソギンチャクと見分けるのがグッと難しくなりますね。


クラゲサイエンスのミズクラゲのポリプ

花虫綱はイソギンチャクの含まれる六放サンゴ亜綱の他にも、八放サンゴ亜綱と呼ばれる仲間がいます。ウミトサカやヤギの仲間がそれにあたりますが、このあたりから見分けるのがとても難しくなってきます。これらはポリプがたくさん集まって群体となっているものが多く、ポリプの触手は8本で、一本一本が羽状なっているので、よくよく見ると、イソギンチャクの触手との違いに気が付くことができます。
深海にすむ「ヒトツトサカ」は大きなポリプが一つだけで、八放サンゴ類のポリプのつくりがとてもよくわかり面白いので、展示したい生き物の一つですね。


沿岸水槽のヤギ類

最後は六放サンゴ亜綱の中の分類群の見分けです。これは私たち飼育員でも、つい誤って認識していたりするくらい難しいです…。
イソギンチャク目の他に、ハナギンチャク目、ヒダギンチャク目、イシサンゴ目、ホネナシサンゴ目、スナギンチャク目、ツノサンゴ目の7つの分類群がありますが、ヒダギンチャク類は日本では見つかっていないそうです。

ハナギンチャク類は物にくっつかず、砂の中に棲管をつくってそこから触手を出しています。イソギンチャクによく似ていますが、触手が長く、砂に潜っているので見分けられます。


ジャブジャブ池水槽のムラサキハナギンチャク

イシサンゴ類はいわゆる造礁サンゴやキサンゴの仲間で、ポリプはイソギンチャクによく似ていますが、根元に硬い骨格があるので分かりやすいです。キサンゴ類や個体サンゴのなかまはポリプが大きいので特に見分けづらいですね…。また、この仲間は骨格を残してポリプだけで移動することはできません。


逗子沖サンゴ水槽のキサンゴ類


深海Iコーナーのセンスガイ類

ホネナシサンゴ類は、イソギンチャク類との違いが本当に分かりづらく、その名前の通り、ポリプの形はイシサンゴ類にそっくりで、骨格がないことに加え、触手の先が丸くなることが特徴です。また、イソギンチャクは根元が足盤という移動できる構造になっているのに対して、ホネナシサンゴ類はイシサンゴ類同様、移動できません。水族館で探してみると、バックヤードで発見しました。現在展示はしていませんが、ストロベリーアネモネです。お恥ずかしながら、私はずっとこれをイソギンチャク類だと思っていました。
言われてみれば、確かにポリプの雰囲気がイソギンチャクよりサンゴっぽく見える気がします…。


バックヤードのストロベリーアネモネ

スナギンチャク類は水族館の中で見つけることができませんでした…。

ツノサンゴ類は枝のようなやや硬い柔軟性のある骨軸にポリプの群体をつくるので、八放サンゴ類のヤギの仲間によく似ています。しかし、これもポリプをよくよく見ると、先ほど見た八放サンゴ類とは明らかに違うので、しっかり観察すると違いが分かります。個々のポリプはイソギンチャクに似ているものの、全体としての違いは一目瞭然ですね。


逗子沖サンゴ水槽のネジレカラマツ

いかがでしたか? よく似た生き物がたくさんいるものですね。
なお、ハナギンチャク類やスナギンチャク類、ホネナシサンゴ類も含めていわゆる「イソギンチャク」とする場合もあるようですが、今回は分類学上のお話でした。


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