2021年06月12日
トリーター:笠川

ラストライダー、大変身!?

そのときは突然でした。
昨日、11日の閉館後、クラゲサイエンスで展示中のジェリーフィッシュライダー、ウチワエビのフィロゾーマ幼生が無事7回目の脱皮を経て、ニスト幼生へと変態しました。おめでとう!! 新たなステージです。ライダーから無事エビの姿になりました。たった一匹の生き残り、ラストライダー、よくぞ頑張った。
本日より、ジェリーフィッシュライダーはオオバウチワエビのフィロゾーマ幼生で、ウチワエビのニスト幼生(元ラストライダー)はその斜め下で展示をしています。実はあまりにも脱皮予想日を過ぎていたので、本当に変態できるのか正直不安になり始めたところでした。

そして、ここから裏話です。
なんと、おそらく9日の夜(発見が10日の朝)、実はバックヤードでずっと飼育をしていたオオバウチワエビのフィロゾーマ幼生が、まさかの先にあっさりとニスト幼生になっていました。10日は私が休みの日だったので、11日に急いで展示するための準備を始めました。おそらくウチワエビのほうが先だと踏んで準備をしていたので、オオバウチワエビで仕切り直しです。
よし、明日から展示!と思った矢先に、今度はウチワエビのフィロゾーマが脱皮。まさかのまた仕切り直しです。オオバウチワエビのほうでもいいのですが、やはり、ずっと展示で頑張っていたラストライダーの新たな姿をみなさんに見せたかったです。振り回されましたが、結果良かったです。脱皮の瞬間が見られなかったのは残念です。あれがこれになるってどういうこと??甲殻類ってすごいですね。
あと、やはり人間の思うようにはいかないですね。他の園館の情報もふまえて、私のシミュレーションでは 、ニスト幼生になる前は動かなくなって底に沈み、しばらくしてから脱皮して変態するだろうと。少し時間はかかるものとばかり思っていました。しかし、実際には、さっきまで水中を浮遊していたのに、ふと目を離したらエビ!?一体、何??どうした??イリュージョンです。スパッと脱ぎ捨てていました。命がけの脱皮、お疲れ様でした。ただ、見守っているこちらからすれば、たしかに体が透明から白っぽくなってきてはいたのでそろそろだとわかってはいたものの、ほんと突然でびっくりですよ。

フィロゾーマ幼生は、水温が低かったり、条件がきちんと整わない場合、脱皮の時期をずらしたり、回数を増やしたりと調整するみたいです。今回で前例が出来たので、ぜひ次回の予測に活かしていければと思います。

ニスト幼生は、透明なその姿から、「ガラスエビ」と呼ばれます。次第に色付いていくので、数週間しか見られない貴重な姿です。光の具合で少し白っぽく見えますが、真上から見ると、体が透けているのでエラが動いているのが見えます。

ジェリーフィッシュライダーもそうですが、自然の海で出会おうとしてもなかなか見られません。水族館だからこそ、飼育していたからこそ、出会える姿です。私も初めてです。クラゲだけをエサにして、本当にエビまで成長しました。あと一回脱皮すると、稚エビとなり、親と同じ姿になります。ジェリーフィッシュライダーのときも思いましたが、成長を願うけど、このままでもいてほしい、寂しいけど嬉しい、そんな親心です。



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