2021年07月17日
トリーター:伊藤

ハクレンの赤ちゃん

突然のことでした。
大学時代の友人から「ハクレンの卵が流れてきました! 送りましょう!」との連絡が。
そういえば、だいぶ前に会ったときに、欲しいとお願いをしていたような・・・。
ウキウキしながら待っていると、ペットボトルに入れられた「透明なイクラ」が届いたのでした。

・・・ と、どんどこ話を進める前に、ハクレンについて少し。
中国原産の外来魚です。原産地では「四大家魚」と呼ばれ、古くから食用として愛されています。
日本でも同じ目的で明治から昭和初期にかけて放流されましたが、今ではほとんど食べる人もいません。
最大で 1.3メートルにもなる巨大魚で、最大の特徴は口よりも目が下についている顔つき。「シタメ」という別名があります。

こんなキャラが立った外来魚だというのにいまいち知名度が低いのは、日本ではほんとに限られた水域でしか繁殖していないことが一因です。
本種は川の上流で産卵して、卵は川を下り流れながら下流でふ化します。しかし、海まで流されてしまうと死んでしまいます。
日本は長さが短い川が多いので、本種が繁殖できるのは、利根川水系くらいしかないわけです。

本題に戻ります。
友人が江戸川(利根川とつながっています)で網を入れたところ、ちょうどその前日が産卵日だったのか、卵が大量に流れてきていたそうです。
フットワーク軽く対応してくれた友人には心から感謝です。
予定外でまさに「棚からぼた餅」状態、まさかのハクレン育成チャレンジです。


ぷるぷるとした手触り

これが卵。最初は1ミリくらいらしいですが、川を下る間にイクラサイズに膨らむようです。
弾力があって、丈夫な感じ。よく見ると、卵の中に小さな仔魚が動いています。
生まれたてのシラスにそっくりです。


まだシラス状態

これが生まれて2日目です。
ちょっと魚らしくなってきました。まだちょっとお腹に栄養が残っています。
明日くらいから餌を食べてくれそうです。今回はここまでです。


学生時代に釣り上げたハクレン(私が若い!小僧感・・・)。


別の日の釣果。

ついでに成魚の写真を一つ。
イモの粉をかるく練ったダンゴでウキ釣りしました。
図体の割にアタリ(ウキや竿先が動くこと)が非常に小さく、おおざっぱな私にはあわせが難しかったのですが、何とか釣ることができたのでした。
ヘラブナ釣りに通じるものがある気がします。
針がかりした後は、うってかわって豪快な引き、このギャップが釣り人を虜にしていた?みたいです。
もちろん食べました。
川魚らしい臭みはありましたが、揚げ物だとそれほど気にならず、家族でおいしくいただいたのを覚えています。
外来魚ではありますが、大好きな魚であります。
うまく育てられたら、続編をと思います。

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