2021年07月21日
トリーター:山本

ジャパニーズキロネックス

本日より、クラゲファンタジーホールでは沖縄からやってきた「ハブクラゲ」を展示しています。


ハブクラゲは、日本だと沖縄、海外だとフィリピンで出現するクラゲです。夏に江の島周辺でも現れる「アンドンクラゲ(現在クラゲサイエンスで展示中)」と同じ、箱虫綱と呼ばれるグループに属します。


箱虫綱に属するクラゲたちは、その名の通り傘が大体みんな四角い形をしています。

ところで、みなさんは「キロネックス」というクラゲを知っていますか? 世界の超危険生物~!みたいな感じでTVや本などでよく紹介されている、オーストラリアに棲息する「Chironex fleckeri」というクラゲがおりまして、その属名「Chironex」から「キロネックス」と呼ばれています。「オーストラリアウンバチクラゲ」と呼ばれることもありますね。

さて、本日より展示しているハブクラゲの学名を見てみると…「Chironex yamaguchii」。そう、ハブクラゲの属名も「Chironexキロネックス」なのです。つまり、オーストラリアの超激ヤバクラゲ「キロネックス」と「ハブクラゲ」は分類上非常に近い存在で、ハブクラゲのことをキロネックスと呼んでも、何ら間違いではないということです。いうなればジャパニーズキロネックスですね。Chironexには、上記の2種以外に2017年にタイで採集され新種として記載された「Chironex indrasaksajiae」という種がいるようです。

ハブクラゲはそこそこ大きなクラゲなのですが、透明でかなり見え辛いです。特に上から見ると、光の当たり具合によっては全然見えません…。


いや、これは気付かずに刺されるわ…。と、今朝餌のシラスをあげながら思いました。ちょうど海水浴シーズンに出現するようなので、沖縄のみなさんはお気を付けください。
“えのすい”でも毎年展示しているハブクラゲですが、飼育がやや難しく、例のごとくいつまで展示できるか分かりません。ぜひ今のうちにご覧ください。

さて、ちょっと話は変わりまして、クラゲサイエンスで展示している江の島産の新種「ワタボウシクラゲ」ですが、展示を始めてからもうすぐ2か月が経とうとしています。時々展示を見てくださっているお客さまをこっそり観察していると、「うわ! 思っていたより小さい!」と驚く声や、「可愛い~!」という感想が聞こえてきて、嬉しい気持ちになります。
繁殖ができていない以上、正直もう少し短い展示となってしまう気がしていましたが… クラゲたち、頑張ってくれてありがとう。
ただ、毎日細心の注意を払いながら展示をしていますが、最近少しずつ傘の透明感が無くなってきたような気がします…。
ハッキリとあと○日生きる!といえなくて大変申し訳ないのですが、もうちょっとかなーという気がしています。
可能な限りみなさまに見ていただけるように頑張りますので、“えのすい”にお越しの際はぜひとも!クラゲサイエンスに!お越しください!!

クラゲサイエンス

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