展示水槽には魚だけでなく、エビやカニ、ウニやヒトデ等の無脊椎動物が一緒に暮らしていますが、今日は食用として流通している活ホヤが入手できたので、早速展示することにしました。
和名はマボヤといい、この季節の珍味として知られています。東北地方の養殖個体でクール便で到着しました。
マボヤは、雌雄同体で卵から孵化してすぐは、2mm弱のオタマジャクシのような格好で泳ぎます。この時は眼点もあり、人間や魚にある背骨の元になるような脊索というものも持っています。そのためイソギンチャクや貝より人間に近い生き物とされます。生まれて2日間くらいのうちに岩等の基盤にたどり着くと、定着し始め一生その場所で暮らします。
さて、マボヤを展示するのに定着するまで待っていたら、夏休みが終わってしまいます。
そこで、即展示するためのマボヤ用アーチを作りました。隙間の多い石灰質の岩をモルタルで繋ぎ、マボヤが定着すると見栄えがしそうな数カ所の隙間に、ウレタンフォームを注入してあります。
そして、くさび型にもぎ取られた根の部分を、ギューッと差し込んで完成です。しばらく経つとしっかりとくっ付いてしまいます。
日誌を書いている中で、マボヤを食べた後、水やお酒を飲むと甘く感じられるという記事が多く見つかったので、何だか食べたくなってしまいました。