2023年08月15日
トリーター:中村

うじゃうじゃ水槽

いつもは担当している水槽を順番に紹介していますが、今回は新しくなった水槽をご紹介します。

その水槽は、相模湾大水槽に向かって左側にある深海Ⅰの水槽です。ダイオウグソクムシの隣の水槽に、オオグソクムシのうじゃうじゃ水槽ができました。
展示変更をするということで、勉強のため展示水槽を考えて欲しい! というミッションです。

はじめて展示水槽をつくるため、まずはどんな生き物を展示したいかから考えていきます。子どもたちに喜んでもらえたり、深海に興味を持ってもらえる水槽をつくりたいな、と思いました。
オオグソクムシを選んだ理由は、深海好きにはとても人気があるオオグソクムシはダンゴムシに近いなかまで、子どもはダンゴムシが大好き。そんなオオグソクムシがバックヤードにたくさんいたからです。これはもったいない!
ダイオウグソクムシと一緒にオオグソクムシも展示していましたが、ダイオウグソクムシ水槽は水温が5℃でバックヤードのオオグソクムシ水槽は10℃です。水温が5℃だとじっとしていることが多いのですが、10℃だと活発に動いたり、泳いだりします。せっかくなら動いているところをなるべく見て欲しいな、と思いました。

次は、オオグソクムシの何を伝えたいかを考えていきます。
まずは、調べることから始まります。自分が知って面白いところを探していきます。そして、どんな水槽にするか絵を描いてみてミーティングを繰り返していきます。
予備水槽でオオグソクムシがどんな行動をするか観察していく中で、オオグソクムシの正面から顔をみてほしいな、ダンゴムシにはないお腹にある腹肢(ふくし)をぱたぱたさせて泳ぐところを見せたいな、という思いがありました。

そこで、まずはお腹側が見える水槽を考えることに!
いろいろな方に教えていただき試行錯誤しながら、鏡をつかった水槽が完成しました。ぜひ、お腹側はどうなっているか観察してみてくださいね。

そして、解説板用の写真を撮って、文章を考え、モニターに映る画像を選び、他のチームとミーティングをして、やっと展示変更をする日を迎えられました。
簡単に文章にしましたが、ひとつの水槽をつくるのもほんとに大変なんだなという正直な感想です。

完成後、水槽のチェックもかねて展示側から少し離れてお客さまの反応を…
この水槽に30匹いるので「うわ~気持ち悪~い!」 ← 求めていた感想です♪
「ダンゴムシの親戚なんだって~」など興味をもっていただけて一安心です。鏡の水槽もたくさんの方が写真をとってくれていたので良かったです。朝には鏡水槽になぜか群がるということも…

いろいろなオオグソクムシの姿を見られますので、ぜひ観察しに覗いてみてくださいね♪

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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