2023年10月21日
トリーター:北嶋

海藻の森を取り戻したい!

“えのすい”の入口から入ってぐるりと相模湾大水槽を下まで降りてくるまでのゾーンは、相模湾の海の中を再現してつくっています。
海藻が生い茂っている「岩礁水槽」もそのひとつ。

この水槽をつくった 20年前は、この水槽のように大きな茶色い海藻(褐藻類の仲間のアラメやカジメ)が林のように乱立する風景が江の島の通常でした。
しかし、残念ながら、その姿は数年前よりまったく見られなくなってしまいました。
その原因のひとつは、海藻を食べる魚やウニなどの動物が冬になっても水温が下がらないため食欲旺盛で、食べつくされてしまったのではないかと考えられています。
海藻がなくなると、海藻を食料にしていた生き物はもちろんですが、生い茂った海藻の林を隠れ家や産卵場所にしていた生き物は居所が無くなってしまいます。
そして、生き物たちはだんだん数を減らしてしまいます。
海藻がなくなり、岩肌がむき出しになったさみしいこの光景を磯焼けと呼び、江の島だけでなく全国各地で問題になっています。

もし、海藻の林を再生することができれば、豊かな多種多様な生き物が集まる場所を再生することに繋がります。
そのための取り組みを地域と一緒に“えのすい”は活動していますが、このたび、新しい海藻の株を育てることをチャレンジしはじめました。
なぜかというと、海で育ち始めた海藻の株は小さすぎるとすぐに誰かに食べられてしまい育つことができません。
そこで、ある程度の大きさまで水族館で育てて、それを移植してはどうだろうかと考えています。
まだはじめて数日ですが、いまのところは調子は良さそうです。
現在「ウミガメの浜辺」の一角を間借りしてテスト中です。
上からちらりとのぞくと、ようすが少し見られると思います。

大きく育つように頑張ります。

昔潜ったときに見た、大きなイセエビやアワビがたくさんいて、キヌバリやチャガラ、アオリイカなどが群れて泳いでいる海が戻ってくるといいなあ。

相模湾ゾーン

RSS