2023年12月03日
トリーター:八巻

ウミガメショーに挑戦

みなさんこんにちは! 八巻です!
私はこれまで約10年間の水族館生活で、いろいろな人や生物と関わり、さまざまな仕事をおこなってきました。生き物の飼育やショーはもちろん、大きな魚を輸送したり、生け簀を作ったり、竹を切り出したり、漁船や釣り船に乗ったり、調査船に乗ったり、海に潜って生物を採集したり、水中ドローンやROVを使って調査をしたり、助成金を申請して調査や特別展、イベントをおこなったり。
そんな仕事の中で、相模湾に生息する生き物はもちろん、日本中の海のさまざまな生き物と、展示や調査、採集などを通じてその魅力を伝えてきました。しかし、大変お恥ずかしながら、ウミガメだけは担当になることもありませんでしたし、展示や飼育でほぼ全く関わることなくここまで来てしまいました… わずかな関りといえば、フィールドで見かけたくらいなもの。ウミガメは普通に生活しているとあまり目にしませんが、フィールドでは案外見かけるものです。ファンダイビング、潜水調査の際にも見かけたことがありますし、定置網で混獲されたウミガメを見たこともありました。

小笠原で出会ったウミガメ類小笠原で出会ったウミガメ類

そのように私にとってほとんど関りのなかったウミガメの展示ですが、このたびウミガメの浜辺で新しくスタートしたウミガメショー「たべたいむ~ウミガメ~」で、晴れてウミガメの展示に関わり、その魅力を伝える一端を担えるようになりました!
「たべたいむ~ウミガメ~」では、ウミガメがごはんを食べるようすをご紹介しながら、ウミガメの生態についてお話しします。 5分というとても短いショーではありますが、知識を伝えるだけではなく、そのときに見えているウミガメの姿から分かることについて、実感をもって知っていただくことを目標としています。

ということで、先日 1回目の公開練習をさせてもらいました。

公開練習をおこなう私公開練習をおこなう私

当館にはアオウミガメ、アカウミガメ、タイマイの 3種のウミガメがいますが、今回のショーでごはんをたべるのは、アオウミガメです。アオウミガメは自然の海では海藻をよく食べるのですが、水族館で海藻を安定的に準備することは難しく、栄養的にも比較的近く手に入りやすい野菜を主にあげています。と、このように、ごはんをあげながら解説をします。

今回は初めてということもあり、私も緊張していたのか… 足元で「クロ」という名前のついたオスの個体が日光浴をしていたのを、まったく気付かずに横を素通りしてしまいした…。

「クロ」の横を素通りする私「クロ」の横を素通りする私

こんなに大きなウミガメに気づかずに素通りしていたことに自分でも驚きです…(笑

ウミガメは爬虫類なので自分で体温調節をすることができず、このように浜辺で日光浴をしていることがあります。また、ごはんを食べる時に一緒に飲み込んでしまった海水に含まれる塩分を、目じりにある塩類腺という分泌腺から体液と一緒に排出します。それがいわゆるウミガメの涙で、陸に上がっているウミガメはそのようすがとても観察し易いのです。
そのようなウミガメの生態に関わることを、まさに実物を見ながら解説できたにもかかわらず… 完全スルーしてしまうというとてももったいないことをしてしまいました… もちろんあとから気が付きましたが、このときは気の利いた解説はできずに終わってしまいました。
次は陸に上がっている個体にちゃんと気がつき、効果的な解説ができるようにがんばります!!

「たべたいむ~ウミガメ~」は12月1日から平日13時30分から(月毎に代わる可能性がありますので、詳しくはホームページをご覧ください)おこなっていますので、ぜひ聞きに来てくださいね。

ウミガメの浜辺

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