2024年03月21日
トリーター:山本

伊勢湾クラゲ採集!

少し前に、愛知県と三重県が面する伊勢湾へクラゲ採集に行ってきました! この海域では、春になると江の島では見ることのできないクラゲがたくさん出現します。特に愛知県の知多半島沿岸域にはクラゲ採集に適した良ーい感じの漁港がたくさんあり、効率よくたくさんのクラゲを採集することができるのです。今回も春ならではのクラゲたちを採集することができました!
ということで、最近クラゲサイエンスに仲間入りした伊勢湾産のクラゲたちを紹介します!

和名:カミクラゲ
学名:Spirocodon saltatrix
分類:ヒドロ虫綱 花クラゲ目 キタカミクラゲ科

「春を告げるクラゲ」と呼ばれています。今回、手のひら大の特大サイズが採集できました。水中でふわっと触手を広げながら漂う姿は圧巻です。このクラゲは不思議なことに、水から出すと「きゅうり」の匂いがします。想像以上の強い匂いにビックリすること間違いなし。東京湾や相模湾でも見ることができるはずです。海で見つけたら試してみてください。

和名:ドフラインクラゲ
学名:Nemopsis dofleini
分類:ヒドロ虫綱 花クラゲ目 エダクラゲ科

先輩方に聞くと、昔は江の島でも見られたらしいのですが、私は一度も見たことがありません。こちらもカミクラゲと併せて春の代表種で、伊勢湾ではたまに漁港を埋め尽くすほど大量発生することがあります。漁港ではあまりアクティブに泳がず、触手を広げて漂っていることが多いです。

和名:ウリクラゲ
学名:Beroe cucumis
分類:無触手綱 ウリクラゲ目 ウリクラゲ科

伊勢湾や東京湾ではよく見られますが、江の島ではあまり出現しません。ましてやこんな立派なウリクラゲは見たことがありません。自分とほぼ同じ大きさのカブトクラゲを丸呑みにして食べてしまいます。

他にも、えのすいには持ち帰りませんでしたが、アカクラゲなどを見かけましたので、水中でクラゲたちを撮影してみました!


やっぱり海で見るクラゲはいいですね! 野生のクラゲたちはなんだか迫力があります。

さて、今回はもちろん当館のクラゲ展示を充実させることが目的だったのですが、それに加えてもう一つ! 岐阜県にあるアクア・トトぎふ(実はえのすいと同じ株式会社江ノ島マリンコーポレーションが運営しています)で 4月13日から始まる企画展「クラゲに夢中!~きっとあなたも、好きになる♡~」に向けての採集でもありました! アクア・トトのスタッフと共に伊勢湾のクラゲを採集しに行き、企画展用のクラゲを集めていたのです。

こんな感じでわいわいと。この企画展には当館が全面協力しており、えのすいのクラゲたちも活躍する予定です! この日誌に出てこなかった伊勢湾産のクラゲも登場する予定ですので、みなさんもぜひ足をお運びください! (詳しくはこちら→ 今年の春は、“クラゲ”にご期待ください!|おもしろ飼育コラム一覧|アクア・トト

最近は、江の島でもウラシマクラゲやワタボウシクラゲなど、春のクラゲが出現し始め、だんだんと賑やかな海になってきました。そろそろ桜も咲く頃ですね。えのすいでクラゲたちと一緒に春の到来を楽しみましょう。

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