2024年07月16日
トリーター:亀谷

レントゲン撮影

みなさんこんにちは、新人獣医師の亀谷です。
今回のトリーター日誌ではペンギンのレントゲン(X線)検査について、新人獣医師目線でご紹介します。

当館ではペンギンの健康管理のために定期的に採血や内視鏡検査、レントゲン検査などを実施しています。
先日の検診日には、獣医検査室にて数羽のペンギンを対象に採血とレントゲン検査を順に行っていきました。
検査を行うと一言で言っても実際に行うのは簡単ではありません。ペンギンは人とは違い、じっと採血を我慢したり、レントゲン検査時に大きく息を吸った状態で止まってくれたりはしません。トレーナーと医療チームのメンバーで力を合わせて検査を進めていく必要があります。

レントゲンの撮影は基本4人でペンギンを保定し、そのうちの一人がX線の照射を担当します。撮影は仰向け像と左右横向き像の計3枚の体の向きを撮ります。

ペンギンのぬいぐるみを用いた練習風景(仰向け像)ペンギンのぬいぐるみを用いた練習風景(仰向け像)

X線の照射は獣医が担当しており、先日初めてその役割を担当しました。ペンギンの胸の動きをよく観察し、呼吸と照射のタイミングを合わせます。これがとても繊細で、少しタイミングがずれるだけで出来上がる画像のクオリティが下がってしまいます。また体が傾いていたり、照射範囲からずれていたりしてもレントゲン写真に影響を与えます。より診断に有用な画像を得るためには、これらに意識をめぐらせなければなりません。
もちろん検査の中で重要なのは照射する役割を担う人だけではありません。保定があってのレントゲン検査です。適切な力加減でペンギンの体が動かないように保定するトレーナーの技術には頭が上がりません。実際に保定を担当することもあるのですが、ペンギンの小さな体からは想像できないすさまじい力を感じます。

何よりも正確な手技でレントゲン検査ができると、動物にかかる負担を大きく減らすことにつながります。いかに動物に対して負担の少ない検査を行えるか、獣医師としてのスキルを磨き、突き詰めていきたいものです。

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