2016年11月
第26 回 日本動物園水族館設備会議 口頭発表(日本動物園水族館協会)
崎山 直夫 ・ 戸田 尚夫 ・ 小出 一城 ・ 細川 拓也
BEMSにより測定された屋外ウミガメプールの日中水温変化ついて.
○崎山 直夫 ・ 戸田 尚夫 ・ 小出 一城 ・ 細川 拓也
新江ノ島水族館
[要旨] 新江ノ島水族館開業10周年を記念し、2014年4月にリニューアルしたウミガメ展示エリア「ウミガメのの浜辺」は、循環設備も含めてすべて屋外に設置されている。2つのプール(45m
3+60m
3)には、プレフィルター(4,000×2,000×1,950H)と密閉式濾過槽と密閉式濾過槽(φ2,000×1,500H×2基)による濾過循環(循環ポンプ 3.7kW×2基)に加え、ボイラー(174kW)による加温システムが組み込まれている。ボイラーはおむね水温が 20 ℃以下に低する 10~6月に稼働させ、夏季に水温を下げる設備はない。その代替として、夏季には毎日 40m
3の新鮮海水を注水している。
当館では BEMS(Building Energy Management Systemystem)により、館内各所の気温や水温データ等を記録することができるが、2016年3月からウミガメプールの水温データについても 1分おきに記録できるようになった。これまでは、水温チェックを 1日1回しか行っていなかったため、日中の水温変化については不明であったが、本データにより日中にかなりの水温変化があることが分かった。こうした水温変化は当然予想されていたが、今回その様子が明らかになった。水温変化は生物飼育において大きな要素であり参考になる点もあると考えられる。
今回は、水温制御ができない 6月24 日~9月23日までの変化について紹介する。今回の結果から、ウミガメプールは最大 1日で 2.5℃の水温差があった。プールの水温は天候、 外気温、取水海水温に影響を受け、水温のピーク時(12~15時)より遅れて 16~19時頃であった。