2009年09月28日
トリーター:北嶋

TORIKO 深海ヤドカリ編


去ること、もう半年も前の話。
わたしは根本トリーターと北里大学の学生さんらとJAMSTECの深海調査船なつしま船上にいました。
ここ江の島から約 1,600Km南の日光海山海上。
私たちはコンテナラボでハイパードルフィンが採集した大きな生き物と一緒に上がってきた砂利やら海水に、小さな生き物が残っていないか、ふるいにかけて探す、ソーティングという作業をしていました。

北里の学生さんI君が第一発見者でした。

I君 「あっ!ヤドカリだ!!」
私 「ほんとだ!かわい~~!!」
皆 「きゃー!かわいぃーー!!」

だって、このヤドカリ、サツマハオリムシの筒をかぶってるんですもん。長い筒を一生懸命ひきずって歩くさまがなんだか健気にみえました。

根本T
「熱水域でヤドカリが見つかるなんて、新種かもよ。」

図鑑を開いたけれど載っておらず、下船後、専門の研究者の方に確認してもらったところ、大変珍しい種だと判明しました。
日光海山では巻貝があまり多くありませんでした。
きっと仕方なくハオリムシ(の殻)を背負ってるのでしょう。
実際、調べたらおしりの形は巻貝仕様。貝殻のある水槽にいれたら、すぐに引っ越してしまいました。

この珍ヤドカリが“えのすい”に来てからだいぶ時間が経ってしまいましたが、ぜひこの姿をみなさんにお見せしたくて、研究者の方々に許可をいただき、この度展示する運びとなりました。

なぞの多いこのヤドカリくん。
とっても面白くて、とってもかわいい!!
わたしはあなたのTORIKOです。

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ユメオキヤドカリ属の一種 (C)JAMSTECユメオキヤドカリ属の一種 (C)JAMSTEC

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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