2009年09月30日
トリーター:崎山

初展示のヤドカリ


先日から深海コーナーで展示を開始したヤドカリについて紹介します。

みなさんヤドカリといえば、「巻貝を背負った姿」をイメージすると思います。
ヤドカリはエビやカニと同じ「十脚甲殻類」の仲間です。
はさみも含めて 10本の脚があります。
そして、ヤドカリはお腹の部分は柔らかく、右にねじれています。その柔らかく、ねじれているお腹は、背負っている巻貝の殻の中にしまわれています。
磯に行って水中をのぞくと岩の斜面を巻貝がわらわらと転がり落ちますが、転がり落ちたほとんどは(生きた)巻貝ではなく、巻貝の殻に入ったヤドカリたちなんです。
きょう紹介するヤドカリは、巻貝の殻を背負っていません。
ハオリムシという生き物のストローみたいな殻を宿にしています。
重くはないでしょうが、けっこう歩きづらそうです。

ハオリムシが生きているような場所は非常に特殊な環境です。
当館の深海コーナーの展示の中心となっている「化学合成生態系」という世界で、簡単にいうと深海で温泉が湧いているようなところです。
実はこういった環境でヤドカリの仲間が見つかること自体、非常に珍しいんだそうです。
ハオリムシの殻を背負っているということは、きっと、まわりに巻貝の殻がなかったのではないかと思います。
目の前に巻貝の殻を置いたら、宿替えするのでしょうか・・・ ?
めちゃめちゃ小さいので見逃さないようご注意ください。

展示水槽 (C)JAMSTEC展示水槽 (C)JAMSTEC

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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