すでにご存じの方もいらっしゃると思いますが、今、フンボルトペンギンの「ハク」と「セサミ」が子育てをしています。
この時点で頭に?マークが浮かんだ方はかなりの“えのすいペンギン通”です。
この経緯をお話しすると長くなります・・・いつものことですが・・・お話ししていきますね。
今「ハク」と「セサミ」が育てている雛は実は「ヒカル(雌)」が産んだ卵でした。
「ヒカル」は番(つがい)をつくっておらず、仲よし姉妹「アカリ」といつも一緒にいます。
今期( 2013年秋~ 2014年初夏)は以前お話ししたように、「ヒカル」と「トップ(雄)」の交尾を頻繁に確認しており、有精卵の可能性が高かったので、人工育雛(じんこういくすう)を試みていましたが、はじめに産卵した卵はふ化に至りませんでした。今回の雛は今期 2度目の産卵になります。「トップ」とは番にならなかったため、人工育雛を再び試みることも考えましたが、そろそろ繁殖経験もさせなければならない年齢です。
かつての成功例(雌×雌のペアでの育雛)もあり、同じ時期に「アカリ」も 2回目の産卵をしていたため「ヒカル」と「アカリ」で抱卵(ほうらん)、育雛をさせることにしました。
ただ、雌×雌ペアで双方が産卵すると、卵は全部で 4つになります。さすがに 4つはお腹の下に収まりません。「ハク」と「セサミ」が先行して産卵した卵は無性卵であることが判明したので、4つのうち 2つの卵を仮親として育ててもらうことにしました。
はじめての産卵からふ化、育雛に成功する場合もありますが、やはり抱卵、ふ化、育雛は経験を重ねるごとにじょうずになっていきます。
「ハク」は旧江の島水族館時代に「グー」を育てあげてから次の「コハク」まで 7年のブランクがありますが、その後 5羽を立派に育て上げました。(「ハク」の仔は全部で 7羽ですが、その中の「フク」は今回同様、雌×雌ペアの「ルビー」と「サニー」が仮親となって育てました)
今回「ヒカル」と「アカリ」が暖めていた卵も「うまくいってくれればいいなあ」と思っていましたが、孵化直後で死亡してしまうといった残念な結果になり、やはり簡単にはいかないという事実を突き付けられました。
そして「ハク」と「セサミ」に抱いてもらっていた卵は、予定通りにハシウチ(卵に穴があく)がはじまり、無事 1月 8日にふ化しました。ベテラン母さんたちはさすがです。
後編につづく