2015年05月09日
トリーター:伊藤

ゴンズイわらわら増量中

ゴンズイゴンズイ

相模湾大水槽で、マイワシの大群の陰に隠れ、じわじわと数を増やしている魚がいます。
ゴンズイです。
これまでも相模湾キッズ水槽などに細々と展示してましたが、大きな群れの展示は久々です。

ナマズなのに海にすむ、ヒレの棘には猛毒、集合フェロモンによる凝縮された群れを作る、などさまざまな特徴を持つ魚です。

個人的にもう一つ、本種の特徴で外せないのが、本種がクリーナーフィッシュ(掃除魚)であることです。

掃除魚としてはホンソメワケベラが有名ですが、本種もそうだといわれています。ただ、野外での観察例は少なく、水槽内でもそうそう見られないことが常です。

そんな中で、当館の相模湾大水槽に入れたゴンズイたちは、よく掃除行動をおこないます。広くて自然な岩組みや水流のお陰で、野生本来の行動を起こしてくれているのかな、と想像しています。

相模湾大水槽にいる 90種類以上の魚種のうち、これまでに約 1/ 3、 31種類の魚種が掃除相手になっているのが観察されています。彼らの掃除はホンソメワケベラのように「いかにも掃除してます」という動きではなく、休んでいる魚のまわりをわらわら動いているだけのようにも見えるのですが、よく見ると、掃除される魚が縦になって浮いたり、口や鰓を開きっぱなしで横倒しになったりします。
これは請求行動と呼ばれ、これが見られる場合は掃除行動成立、と見なしています。

ゴンズイの不思議な行動が水槽の外からも見られるかもしれません。一般にはほとんど目にすることのできないゴンズイの掃除行動、ぜひ注目してみてください。

相模湾ゾーン

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