背中に前肢を乗せる子ガメ(アオウミガメNo.7)今朝も各水槽の点検を行った後に「ウミガメの浜辺」の清掃をおこないました。
まず先に子ガメ水槽の掃除をおこなうのですが、スポンジを使ってガラス面~底面と、くまなく擦り、細かなゴミをネットですくい取ります。その際、子ガメはそのまま水槽に泳がしておくので、掃除の手が当たったり、ネットの柄が甲羅に擦れたり・・・子ガメも“場が悪い”感じで浮いていますが、その時に必ずといっていいほど、ある行動を取ります。
それは、写真のように、前肢を背中に乗せ、後肢をめいっぱい前方に向けます。これは危険回避行動では?という説があります。自然界において、何か危険が迫っている状態(サメに襲われそうになった時など・・)の時、このようなポーズをとることによって“カメのシルエットっぽく見せない”ことで身を守るのでは?といわれています。こうなると、甲羅を触っても、身体をコンコンしても動じません。まるで「自分はウミガメではありません!」「海に浮いている木片です!」とでもいっているかのようです。
しばらくすると、ポーズを崩し泳ぎ出しますが、これはアオウミガメだけでは無く、アカウミガメでも見られます。
威嚇するアカウミガメ「ノア」
ちょっとデッキブラシで“ちょっかい”を出すと・・
最初は「何するんじゃ!」といわんばかりに口を開けて威嚇してきますが、デッキブラシの動きが早く、「こりゃあ かなわない!」と判断すると・・・
「私が悪ぅ~ございました!」と急に態度が一変し、
危険回避行動?をとる「ノア」
ご覧のように、前肢を背中に乗せます。
(アオウミガメより短い前肢ですが、明らかに背中に乗せています。)
こうなると、デッキブラシでゴシゴシしても全く反抗してきません。眼も閉じて、じっと時が過ぎるのを待ちます。(こうなったら、それ以上デッキブラシでゴシゴシするのはやめますので、「ゴメンナサイポーズ」を取れば、この場を回避できるとアカウミガメは学習しているのかもしれません。)
この行動は、外敵が少ないと思われる“成獣”になると、取らなくなります。特にアオウミガメの成獣たちは、このデッキブラシが大好きなようで・・・
プール掃除をしていると、必ず近寄って来て、甲羅を擦ってもらおうとします。
腰を振って自らデッキブラシに甲羅を擦りつけて来るアオウミガメ「シロ」
ウミガメたちの甲羅の間には、よく見ると写真のようにコケ(藻の一種?)が付いています。これを指でこそぐとすぐに取れます。デッキブラシでもある程度は取れるようで、 1頭を擦っていると・・・
私も! 私も! と言わんばかりにみんな集まって来てしまい、大変なことになります。これをやっていると、いつまで経っても掃除が終わりません。
どんどん集まって来るアオウミガメたち
掃除を進めたい私は、うまくウミガメを避けながらデッキブラシを動かしますが、甲羅を擦ってもらいたいウミガメたちは、わざとデッキブラシの前を泳ぎ掃除の邪魔をしてきます。
そんなデッキブラシをめぐる攻防戦は、ほぼ毎朝見ることができますよ。