2016年08月21日
トリーター:伊藤

月光で命輝かすカニたち 4

展示中のアミメノコギリガザミ展示中のアミメノコギリガザミ

凄い奴がやってきました。
イワガニ類ではありませんが、ぜひ紹介したいカニがいます。

ノコギリガザミ
本来は沖縄のマングローブなどに多産する南方系の大型ワタリガニです。
相模湾ではかなりのレアキャラと言えます。

先日、江の島の渡し船「弁天丸」を操業する漁師さんから電話があり、
「川の岸壁に凄いのがいるぞ!」
とのこと。急行すると、いました。確かに大きい!
しかし、採集できるのか?
係留ロープがあって船では寄り付けない場所にいたので、岸壁の上から柄の長い網で一発勝負しかありません。



ままよ、と網をふるい・・・ 何とか採集できました。
巨大なハサミをいっぱいに広げて、迫力満点です。



水族館に連れ帰ってから、さっそく同定を試みます。
実はノコギリガザミは4種類(日本には 3種類)に分けられているのですが、各種ともよく似ているのです。
各種の同定キーとなる部位を細かく見ていきます。

先ずは額。
トゲが尖っています。この時点で 2種に絞られます。

歩く脚にはすべてに白点の模様があります。
これは網目模様といえるのでしょうか。
マッチョなハサミには、うっすらと模様があるように・・・ 見えます。
指を挟まれたら骨まで砕かれそうです。



ハサミ部分の 1つ手前の節にあるトゲの数もポイントです。 3つあります。
以上を総合的に判断して、アミメノコギリガザミだろう!ということになりました。
地物のノコギリガザミの展示は久しぶりです。
なんと惚れ惚れするカッコよさでしょう。
相模湾キッズ水槽に展示しています。ぜひご覧ください。

バックナンバー
2016/ 08/ 10 月光で命輝かすカニたち 3
2016/ 07/ 25 月光で命輝かすカニたち 2
2016/ 07/ 22 月光で命輝かすカニたち

相模湾ゾーン

RSS