2016年10月14日
トリーター:北嶋

今週のおすすめ

館内で気になった生きものをおすすめで紹介します。
相模湾大水槽長窓のサンゴイソギンチャク。だらしなく触手を伸ばしています。かなり成長しています。蛍光するので、ナイトの時間にはぼやっと緑に光っています。

相模湾ゾーン“岩礁水槽”の左上の擬岩にハマっているクロソイ
微動だにしないクロソイの姿が見られます。隠れているつもりなのか、見事にハマっています。しかし丸見えです。じっと見つめてもまったくこちらを見ないので、無心状態なのでしょうか。(大概の魚は見つめ返して来たり、ちらりとこちらを見てくる印象がある。)


同じ“岩礁水槽”のコブダイ
陰からこちらを見ています。なにかを企んでいそうな顔に見えます。コブダイはなわばりを持つので、以前この水槽を担当した時は、よく潜水掃除の際にストーキングされ、噛みつかれました。
あなぐらに隠れて引きこもりになってしまい、展示仕事をしてくれなくなったり、色々苦労させられた奴です。夜になると寝てしまうので、昼間にぜひ探してみて下さい。

深海Ⅰ~JAMSTECとの共同研究~“化学合成生態系水槽”のシンカイヒバリガイオハラエビ
しばらくストップしていた硫化水素を発生させる装置を稼働させて、シンカイヒバリガイたちの栄養源を供給させはじめました。
厳密に言えば、ここでは 3種類のシンカイヒバリガイ類がいて、硫化水素を栄養源にしている細菌と共生しているのはシチヨウシンカイヒバリガイ 1種だけです。あとの 2種(シンカイヒバリガイとヘイトウシンカイヒバリガイ)はメタンを栄養源とする細菌をもっています。
硫化水素が発生していると貝の口を開いて、白い体が見えて、活き活きとしているように見えます。なにも入れていない時は、がっちり貝の口を閉じてしまっていることが多いです。そんなシンカイヒバリガイの出す粘液やカス(排泄物など)を目当てにしているのか、オハラエビがたくさんたかっています。

同じ深海Ⅰの丸い窓の扉左の水槽で、オキナマコベニテグリの上を通過中。
ベニテグリはこれでいいのか。背びれがぴんっと立っているので、なにかは感じていそう。ナマコのあの無数の管足で、もし自分の背中を通過していたら、と想像すると、ぞわっとします。

太平洋“暖かい海”水槽のこちらもナマコ。細長いオオイカリナマコと太いジャノメナマコ
ナマコでありながら、この海藻繁茂水槽でいちばん問い合わせの多い生きものです。オオイカリナマコは常に動いています。水族館の生きものの注目度、哺乳類>鳥類>魚>イカ・タコ・クラゲ>その他な一般的目線を、この水槽では南のカラフルなかわいい魚たちを差し置いて注目を浴びるという、すごい働きをしています。ジャノメも海ゴーヤによりかかり、ちょっと気になる体勢をしていました。



今上陛下のご研究、アカハチハゼの水槽です。
個人的に大好きなヤドカリ。こちらは沖縄などでは浅瀬でふつうにみられるスベスベサンゴイソギンチャク。ハサミが白くてスベスベです。魚にあげたご飯の残りを片づけてくれる、お掃除隊です。

ウミガメの浜辺入口で、アカウミガメのモニュメントと富士山と夕焼け。
相模湾のウミガメはアカウミガメでしょ、とこだわって造ってもらったモニュメント。アカウミガメだと気付いてくれた人は(というか、そんな細かいところまで注目した人は)いるでしょうか。小さいところまで気にしていろいろ作っているんですよ~。
きょうは夕焼けがきれいでした。あしたは晴れそうですね!

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