2017年度もはじまり、新入生や新社会人となった方もたくさんいらっしゃると思います。
私はというと、今年で新江ノ島水族館に入社して 13回目の春を迎えました。いろいろな経験を積み、少しはなにもわからずに入社してきた頃より動物たちのことについてわかってきたつもりでいました。
そんな 2017年度初出勤の 4月 2日、数年ぶりになるでしょうか。私は一日バンドウイルカ「マリン」の担当をやることになりました。
自分なりにある程度、こうやったら「マリン」を楽しませることができるんじゃないのか? 一日うまく付き合えるんじゃないか? と試行錯誤をして臨んだ一日でした。
結果はというと、ショーの途中で肝心な「マリン」の紹介を目前にして後ろのプールに入ってしまい紹介ができなかったり、予定していたところでジャンプができなかったりという場面が多く、積み重ねてきた自信が脆くも崩れ去りました。そして「マリン」との信頼関係がしっかりと構築しきれていないことを痛感しました。日頃、担当していなくとも「マリン」とは遊んでいたりすることもあり、それなりに信頼関係は築けているつもりでいましたが、「マリン」にとってみたらそれではまだまだだったようです。
その証拠にイルカショーの「きずな/kizuna」中に時々トリーターたちがやっている尾鰭を引っ張るという遊びをショー中に「マリン」は 1度もやらせてくれませんでした。ショー以外の時間では尾びれを持たせてくるのですが、ショー中に尾びれを持とうとするとわざと手の届かないところを泳いでみたり、わざと早めに泳いで尾びれを持たせようとしなかったりと、よっぽど尾びれを持たれたくないようで、まだまだ「マリン」との信頼関係が足りてないことを実感した 2017年度初日でした。
何事も慢心せず、初心を忘れず、一つ一つ積み上げていこうとあらためて思った一日でした。そしてマリンとしっかりと信頼関係を築きあげて、いつの日かショー中に尾びれを引っ張って遊んであげたいと思います。