その名はツブイボショウジンガニ。
先日、江の島の定置網が陸揚げ整備されたのですが、作業中の漁師さんから「漁具にカニがくっついていた」とのことで、譲っていただきました。
多くはオキナガレガニでしたが、その中に、見慣れないカニが混じっていました。
雰囲気はショウジンガニやトゲアシガニのようですが、何だか違います。
図鑑で調べてみると、イボショウジンガニという種だと分かりました。
私は初めて見たカニで、南方系の種ですが特段珍しくはないとのこと。
流れ藻や流木につかまって房総沖あたりまで漂流することもあるとのことで、定置網にくっ付いていても違和感ありません。
この後です。
展示解説を作るために、インターネットや手元の図鑑で簡単な特徴を調べていたところ、本種はよく似た別種がいることが分かりました。
ごくまれに日本近海でも採集されるらしいので、まあ、普通のイボショウジンガニだろうとは思いつつも、区別のポイントとなる体のパーツをチェックしてみましたら・・・
まさかの別種でした。
イボショウジンガニとの違いは非常に細かい部分でしたので、複数の人間でチェックしたうえで、ツブイボショウジンガニだと判断しました。
ということで、そろそろ恒例となってきました「小さくて地味だけど実は珍しいカニ」として展示開始しました。
相模湾キッズ水槽 左から 3番目、テングニシの卵塊のところに入れています。
実は非常に獰猛で、複数で飼うと脚をもぎ合い、弱い方が食べられてしまうので、寂しいですが 1個体での展示です。
隠れて全身が見えないこともあります。どうか期待しすぎずに?小さなロマンを感じてください。