2018年11月23日
トリーター:櫻井

今週のおすすめ

イボクラゲイボクラゲ

イボクラゲ
でかい! きれい! すごい! というクラゲです。裏側はなんだかわしゃわしゃしていて気持ち悪いですが、紫色の傘が綺麗です。大きな紫色の傘を優雅に拍動する姿は圧巻。
さらに見どころはクラゲ本体だけではありません。水槽をよく見てみると、こおまかーい、ちーいさなものがたくさん漂っています。気泡のような・・・、餌のような・・・、ゴミのような。
これはプラヌラといって卵の発生が少し進んだものです。プラヌラが岩などの基盤に固着するとポリプになって分裂してさらに数を増やしてストロビレーションして遊離してイボクラゲのこどもになります。
もしもこれらのプラヌラが全部順調に育ったら、震え上がるほどのイボクラゲの大量発生ということになってしまいます。イボクラゲ一匹で、です。
自然界ではうまくいかなかったり淘汰されたり、バランスが取れているのですね。なにしろ物凄い数のプラヌラが水槽内にいますので、今のうちにご確認ください。戦慄します。
裏側のわしゃわしゃしたところを気持ち悪がらずによく見てみると、オレンジ色っぽい所がありますが、これがプラヌラのかたまりです。

※「イボクラゲ」の展示は 2018年 11月 27日をもって終了いたしました


ツノクラゲ


ツノクラゲ

もう一種。おまけです。ツノクラゲもぜひご覧いただきたいです。これは私にとって思い出のクラゲです。
今年の春からクラゲ担当になった私は、早々に長崎へ採集出張へ出させていただきました。その時に一緒に出張に行ったクラゲのベテラン Kトリーターが、慎重に、ダメージをまったく与えることなく採集、梱包し輸送に成功させていました。腰いてーといっていたのが忘れられません。
ツノクラゲはいわゆるクシクラゲと呼ばれるクラゲで、クラゲといっても刺す刺胞は無く、刺胞動物のクラゲとは異なります。有櫛動物といいます。早い話が、刺さないクラゲです。櫛板が光を反射し、きらきらと光る姿はこの世のものとは思えない美しさです。

クラゲは儚いです。イボクラゲもツノクラゲも儚いです。ぜひこの 3連休中にご覧にいらしてください。
イボクラゲはもしこの先観覧することができなくなってしまっても、ばっちりプラヌラを確保しております。繁殖に成功させて 2代目、3代目のイボクラゲを展示したいと思います! お楽しみに!

クラゲファンタジーホール

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