2019年09月03日
トリーター:戸倉

子ガメのトレーニングその後・・

8月 21日の北嶋トリーターの日誌( 2019/08/21 子ガメのトレーニング開始 )でお知らせした通り、2018年生まれの子ガメ(アオウミガメ)たちは、現在もターゲットトレーニングを続けています。

あれから 2週間ほどが経ちました。
さあ、その後どうなったでしょう?
ということで、今回は、その経過報告をしちゃいますね!

まず、簡単にトレーニング方法と目的をお話しますと・・・
ターゲットとは、先端に目標物のある棒です。
この目標物にタッチすれば、報酬(今は小魚のキビナゴ)がもらえます。
最初は、ごはんをもらいながら、隣にターゲットを見せておきます。
これを繰り返すと「ターゲットが見えている時はごはんが貰える。」という認識になります。
つまり、ターゲットは怖い物では無く、「何か自分にとって得になる物」に、思いが変わっていきます。
前回の日誌( 8月 21日)の段階が、この辺のレベルでした。

その後は、ターゲットをこちらの方から、カメの口先に“コンッ”とタッチしたら、すぐにごはんを与え、これを繰り返すとカメの方からターゲットにタッチしようと首を伸ばしてきます。
「ここにタッチするとごはんがもらえる!」という学習ができたことになります。
次に、ターゲットを少し離れた所に提示すると・・・
タッチしようと少し泳いでターゲットに寄って来るようになります。

現在は、各個体別に、ターゲットヘッドの色を変えて、自分の決められた色のターゲットにタッチするようにし、その、正解率を高くキープしている段階です。(いちばん上の写真がその場面です。)

まあ、カメたちは、ターゲットにタッチというよりも、もう、ターゲットが「ごはん」に見えているのでしょう!
ターゲットを見ると口を開けて、食べようとしてきます。
でも、今回の目的は【ターゲットに向かって寄って来ること。】ですから、寄って来る動機(カメからみた目的)がタッチでは無く「食べる」でも問題ありません。
近い将来、大きなプールに出た時に、こちらの思うように、子ガメたちをわれわれの所に呼び寄せれば、定期的なプロポーション測定や、給餌量のコントロールも可能になります。

では、2013年生まれの年上カメたちの寄って来るようすを見てみましょう。

まずは、全然関係ない所で休んでいます。

先端が赤いターゲットを見つけると、一目散に寄って来ます。

ターゲットの所まで、あっという間に寄ってきましたが、隣りの大きなカメ(矢印の個体)は、ターゲットには全く反応しません。

こうして、小さなカメたちでも、大きなカメに押し出されること無く、われわれの手前に寄せることができるようになります。

昨年生まれの子ガメが、大きなプールに同居するのも近いと思います。
その時まで、子ガメ水槽ではトレーニングがおこなわれますが、一日 1回なので、運が良ければ、見られるかも??
ただし、時間は決まっていませんので、あしからず。

ウミガメの浜辺

RSS