2022年09月27日
トリーター:加登岡

展示更新情報!

みなさんこんにちは。
「展示更新情報」と題してトリーター日誌をおこなっていましたが、気づけば 1年近く、この形での掲載をしていませんでした。なので久しぶりです。
今回は私が大好きなサメに関して「タッチプール」における 2つの更新を紹介です。

カスザメ
カスザメ目カスザメ科
学名:Squatina japonica

日本からフィリピンまで生息しています。展示個体は江の島の定置網に入網しました。まだサイズも小さく、今年生まれの赤ちゃんだと思われます。日本近海にはカスザメの仲間は三種類いますが、このカスザメは背中の正中線に棘があるので見分けられます。体は小さいですが、よく見ると棘が見えるはずです。また、このカスザメは平たく、エイのようにも見えますが、エラ孔の位置が体側にあるためサメの仲間と見分けられます(エイは腹側にエラ孔があります)。そして、その平たい体を砂に潜らせ、じっと獲物を待ち、目の前を通りかかったら一瞬で食べてしまいます。
英名は「Japanese Angelshark」で、日本の天使のサメという意味になります。
獲物をとって天使なのか悪魔なのかどちらなのでしょうか?
※こちら「タッチプール」で展示していますが、実際はタッチできません。というのも、カスザメの歯は鋭く、反射的に噛まれる危険性があります。そのためみなさまには触っていただくことができません。触り心地はというと、ざらざらしています。このカスザメの皮は「ワサビ卸」に使われています。もしも、触ってみたい方は、ネットでワサビ卸をご購入ください。

ウバザメ
ネズミザメ目ウバザメ科
学名:Cetorhinus maximus

え、あのウバザメが!?と思われたサメファンの方、すいません、実物ではなく解説版です。
ウバザメはインド洋のほぼ全域を除く全世界の温帯から寒帯海域にかけて分布しています。そんなウバザメの幼魚が江の島周辺にも現れました。相模湾ではこの他にもこれまでにウバザメが何回か出現しており、このことを当館で調べて報告しています。
魚界ではジンベイザメに次いで 2番目に大きくなる生物です。その幼魚を実物大で解説板にして紹介してます。全長 3.02 mのウバザメを実物大に印刷しています。あまりに大きいので、解説板に尾鰭が入りきりませんでしたが、ぜひ並んで自分の大きさと比べてみてください。
※こちらも「タッチプール」で解説版として掲示していますが、あくまで解説版です…触てもサメ感はありません…ただの紙です。

実物の触り心地はというと、かなりざらざらしています。吻先を素手で持って作業をしていたら、気づいたら手の平がぼろぼろになっていました。サメ肌は種類によって感触が違いますが、タッチプールにいるネコザメとは比べ物にならないくらいざらざらでした。先にご紹介したカスザメよりもざらざらしている印象です。実物を触ってもらうことはできませんが、私の感想でご勘弁ください。

タッチプール

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