2024年10月09日
トリーター:吉田

魚の病気の話

こんにちは。吉田です。
ここ数日間でぐっと気温が下がり、秋を通り越して早くも冬を感じますね。
季節の変わり目ですので、体調にはお気をつけください。

さて、今回のテーマはタイトルの通り、魚の病気のお話です。
魚も私たち人と同じように病気になったり、怪我をしたりすることがあります。
特に水族館は、自然界に比べると閉鎖的な環境であるため、一度病気が発生すると水槽内で蔓延してしまうこともあります。
また、魚は体調が悪くても言葉で伝えることができないので、私たちが気づかないうちに状態が悪化してしまうことも少なくありません。
日々観察を行い、なるべく早く異常を見つけて治療をしたり、病気の個体を隔離したりすることが大切です。

今回は魚病の中でも、この夏たくさん戦った寄生虫「べネデニア」のお話をしていきます。

べネデニアべネデニア

ベネデニアは水族館ではよく蔓延する寄生虫で、魚の体表や鰭、眼などに寄生します。
よく蔓延するにもかかわらず、虫体が透明なため、泳いでいる魚に寄生するべネデニアを肉眼で確認することは少し難しかったりします。
寄生すると体表が擦れたり、鰭が欠けてしまったり、水槽内の擬岩や底砂にしきりに体をこすりつけるような行動が見られ、傷から細菌やウイルスなど二次感染を起こして魚が死んでしまうことも少なくありません。
しかし、治療方法はいたって簡単です。寄生した魚が海水魚であれば、淡水に数分つけると寄生していたべネデニアが死んで剥がれ落ちます。
べネデニアは死ぬと白濁するので肉眼でも簡単に観察でき、ポロポロと落ちていくのはなんだか気持ちいいほどです。

淡水浴で剥がれ落ちたべネデニア淡水浴で剥がれ落ちたべネデニア

このように、魚も原因がわかって治療すれば良くなることがあります。
まだまだ勉強中ですが、病気で死んでしまう魚が少なくなればいいなと思って、日々の観察や原因の追究に努めたいと思います。

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