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ホーム > 航海・採集日誌

航海・採集日誌

2016.11.19 トリーター:杉村

2016/11/19 西部北太平洋調査航海(10)
航海日誌10日目

期間:2016年11月10日~11月25日
場所:西部北太平洋
目的:「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」


朝、目が覚めてみると・・・ なんか揺れてる!!!
でも、今日は早朝から調査開始の予定だったはず・・・。
午前 6:30作業の準備をして1ラボまで降りていくと・・・
ホワイトボードにはまさかの「待機」の二文字が・・・
今日も待機ですか・・・ (>_<)。

そんな中にもちょっと感動的なこともありました。
ブリッジに上がると船の左舷側にたくさんのイルカがいるではありませんか。


「よこすか」のそばを泳ぐイルカ

体の大きさや体色からカマイルカのようでした。
40~50頭はいるでしょうか、こんなに大きなイルカの群れを見たのは初めてで、つい見入ってしまいました。
天候は雨、表層水温は約 7℃、波高 4m、風速 20mという中でもイルカたちは船のまわりを元気に泳ぎ回っていました。
逞しいですね、ちょっと得した気分でした。


こんな波の中でもイルカたちは元気!

イルカが幸運を運んでくれたのでしょうか、午後 1時を過ぎた辺りからしだいに風が弱まり始め、波も少し落ち着いてきました。
すると首席研究員の藤木さんから、「CTDスタンバイです!」の声がかかりました。
その声を聞くやいなや、“待ってました”とばかりにみんな一斉にラボを飛び出しました。
手際よく観測準備が終了すると、CTDは海中に消えていきました。
観測を終えてCTDが上甲板に降ろされると、みんなで一斉に採水に取りかかります。
※CTDには 12本のニスキンという採水器が取り付けてあります。


測定用の海水を採水中です

ニスキン1本につき採水瓶だけでざっと 10種類以上はあったでしょうか。
海水中の溶存酸素量や栄養塩の測定など・・・ 測定する内容によってフィルタを通したり、空気を混ぜないように瓶に移したりとなかなか大変そうです。
それだけ、測定には多くの測定項目や手間もかかると言うことなんですね

続いては、いよいよ我々プランクトン採集チームの出番です。
「しんかい6500」を支える巨大なフレームに、大きさ 1m前後のプランクトン採集ネットが吊されます。
何とも豪華なクレーンですね、ちょっと異様な感じがしました。


Aフレームにプランクトンネット

そうこうしているうちにネットは上げられ、プランクトンが採集されてきます。
集められたプランクトンは海水ごとビーカーに集められ、直ぐさまソーティング(選別)されていきます。
作業が終了した今・・・ 既に時計の針は午前 0時をまわっています。
もうちょっと、残務がありますのでもう一仕事してから今日は就寝です。

やっとのことで長い 1日が終わります。
と、いうことで今日のお話はここでおしまい。
どんな生物が採集されたかは、明日のお楽しみという事にいたしましょう。

では、お休みなさい。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)YK16-16 西部北太平洋「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-


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2016.11.18 トリーター:杉村

2016/11/18 西部北太平洋調査航海(9)
航海日誌9日目

研究者ミーティングのようす
研究者ミーティングのようす
期間:2016年11月10日~11月25日
場所:西部北太平洋
目的:「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」


昨夜、緊急の研究者ミーティングが行われました。
乗船している研究者が全員、上甲板にある第1ラボラトリー(通称1ラボ)に集合しました。
これまで荒天続きで調査現場に行けず、唯一出来た作業が予定を前倒しした海底電磁気計の回収でしたが、どうやら船が動けるようになったようです。
当初4日目に観測を行う予定だった調査海域に向かうとのこと。
さらに北にあるもともとの調査地点は、低気圧の抜けが悪く調査時間がほとんどとれないということで、このような決定になったそうです。

ミーティングから一夜明け、「よこすか」は早くから調査海域に向かってやっとのことで走り出しました。
今日の私は朝から体調があまり優れず、ダウン状態でした。
いつもの調査なら、そろそろ下船の時ですが今回はやっと折り返したばかりです。
連日の大きな揺れの影響でしょうか、ちょっと疲れが出たようです。
午前中はちょっと休ませてもらいました。

午後には何とか回復して明日からの調査の準備を始める事が出来ました。
ワムシのお世話に水槽の海水の用意、換水など・・・。
体を動かし始めるとそれはそれで、体がすっきりしてきました。

研究者のみなさんも明日からの観測調査の準備をしていました。
観測器具にフィルターやセンサーを取り付けていました。
今回の調査航海は、海洋の酸性化の状況を把握するために翼足類などのプランクトンの採集の他に、海水のサンプリングも行われます。
海水の中のさまざまな成分を測定することで、海洋の状況を分析するためです。
採水した海水を濾過してその中のクロロフィル量の測定をしたり、栄養塩などを計測するそうです。
可能な限り毎年の観測を行って、データを蓄積することで海洋にどのような変化が起きているかを調べると言うわけです。
こうやって行われる地道な観測がとても大切なのですね。


只今準備中!

さあ!明日からやっと本格的な観測調査が行われます。
どうか、無事に観測が行えますように!!

朝 7:30には観測が始まります。
今日は明日のため早く休まなくては・・・
今朝のようなことが無いように備えなくては・・・。

ではまた明日。


今日は天気がいいかも!


JAMSTEC(海洋研究開発機構)YK16-16 西部北太平洋「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-


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2016.11.17 トリーター:杉村

2016/11/17 西部北太平洋調査航海(8)
航海日誌8日目

期間:2016年11月10日~11月25日
場所:西部北太平洋
目的:「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」


いよいよ折り返しです。
今回の航海は荒天の影響で回避航行が多く、船内で過ごす事が多くなっています。
今も荒天回避中です。
そこで、今日はちょっと船内を探索してみました。

「よこすか」といえば・・・ 1日目の日誌に書きましたが「しんかい6500:以下 6K」の支援母船ですよね。
6Kの格納庫はとても天井が高く、天井には巨大なクレーンが設置されていました。
どんなものを吊すのでしょうか?
きっと 6Kの整備用クレーンなのでしょうね。

格納庫の一番奥には直径が 3cmほどあるワイヤーが 2本、現在冷蔵コンテナの乗っている台座を船尾から格納庫内へ収納するワイヤーです。
巨大なドラムに巻き取られていました。
格納庫の直ぐ横には「 6Kチーム」の事務所があります。
ちょっと失礼して覗いてみると(もちろん船員さんの許可をもらって)、これまでのテレビ取材の色紙や宇宙飛行士の毛利さんのサイン入り写真が飾ってありました。
(毛利さんは宇宙と深海の両方に行った方ですよね・・・ すごい方ですね、改めて思いました。)
2階に上がってみると搭乗用のはしごが引き上げられ、奥の方には半透明のサクションホースが積まれていました。


6K搭乗に使うはしご

スラープガン(生物などを収集するための水中掃除機)に取り付けるホースですね。
※えのすいに展示されている「しんかい 2000」にもスラープガンが搭載されてますよ。


スラープガンに取り付けるサクションホース

その横には、泥などを採取するコアラーがコンテナに仕舞われていました。
これらを使って一昨年は世界 1周の調査航海をしてきたのですね!!
私がいつも参加するハイパードルフィンの調査によく搭載されている機器なので、何となく嬉しい気がしました。

船内に足を向けると、ダイバーチームの準備室が(6Kを揚収する際はダイバーさんが揚収金具を取り付けます)もありました。
ブリッジには総合司令室があり、所狭しとモニタが並んでいます。
船員さんに話を聞くと「よこすか」は AUVの「うらしま」の母船も兼ねているので、半分は「うらしま」に使われているのだそうです。
その他にも海底地形図が現れるモニタなど、最新鋭の機器がそろっていました。


総合司令室(うらしま用のモニタ)

いつもと違う調査船に乗ってみると、いつもと違う風景に出会えて面白いですね。
今度は実際の「しんかい 6500」の航海を体験してみたいものです。

ではまた明日。
好展開を期待して!!


JAMSTEC(海洋研究開発機構)YK16-16 西部北太平洋「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」を目的とした調査航海

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2016.11.16 トリーター:杉村

2016/11/16 西部北太平洋調査航海(7)
航海日誌7日目

波に打ち付けられる「よこすか
波に打ち付けられる「よこすか
期間:2016年11月10日~11月25日
場所:西部北太平洋
目的:「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」


晴海埠頭を出港してから早くも 1週間が経ちました。
「よこすか」は変わらず荒天回避中です。
昨夜から海上のうねりがひどく、船の揺れも左右に大きくなってきました。
居室のベッドで横になっているとゴロゴロ転がりそうで、なかなか寝付けないほどです。
不思議と酔いはなく、大きく揺れる船内で平衡を保つのに四苦八苦。
とても疲れます。


波に打ち付けられる「よこすか」

ブリッジに上がってみると「よこすか」の眼前には、大きくうねった太平洋が広がっていました。
天候は昨日と打って変わって雨空です。
キャプテンからは小型の低気圧の真ん中辺りにいて、波の高さは約 4m、風速 25mを越えているそうです。
(これ以上南下してしまうと、目的海域に着けなくなってしまうということ・・・ ヒェ~)
天気予報で波の高さが 4~5mと表示をみたりしますが、実際に体験してみるとかなり高いものですね。
時折、船首が沈んだかと思うと波に乗って今度は上に大きく跳ね上がります。
水平線が見えなくなるほどです。
次の瞬間!船首が下がると同時に船底が波に打ち付けられ、ドーッンとものすごい衝撃が船内に響きます。
船の底に穴でも空くんじゃないかと思うほどです。
あまりの衝撃と揺れで、備え付けのコップが落ちて割れてしまいました。

水槽をセットしてある冷蔵コンテナの中が心配になり、覗いてみると・・・ 特に問題はありませんでした。
セットされた水槽も海水もそのままです。「良かった・・・ (^_^)」
どうやら、冷蔵コンテナのある上甲板の格納庫内が一番揺れの少ない場所のようです。
私の居室は 1つ上の階にありますが、階が 1つ上がるだけで揺れ方がこんなにも違うんですね。


「よこすか」の船内図

こんなに海が荒れたときでも、コンテナ内のワムシをお世話はちゃんとやってますよ。
ワムシのお世話の後は、格納庫と同じ階にあって比較的揺れの少ない(と言っても机からマウスが落ちくらいは揺れてますけど・・・)第 1ラボでこれまでに溜まった実験データをまとめることもやっています。
研究者のみなさんの中には、空き時間を使って論文を執筆している方もいるようです。

予報では 72時間後くらいには調査海域の低気圧が一旦は抜けそうです。
低気圧のおかげで大幅に予定を変更していますが、予報の通り何とか先に進めることを今日も祈るばかりです。

では、また明日。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)YK16-16 西部北太平洋「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」を目的とした調査航海

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2016.11.15 トリーター:杉村

2016/11/15 西部北太平洋調査航海(6)
航海日誌6日目

期間:2016年11月10日~11月25日
場所:西部北太平洋
目的:「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」


本日の天候は良好、雲の間からはきれいな青空が見えています。
風は意外と強く白波が立ち、うねりは相変わらず大きいですね。
船内 WEBの気象衛星画像を見ると調査海域には大きな雲が・・・
これからさらに荒れるようです。
今は、荒天を避けて昨日とそれほど変わらない海域に避難中です。


気象衛星画像

荒天回避中の船内では何をしているかというと、もちろんテレビを見て・・・ いません。
海の上ではテレビも映りませんし、携帯ももちろん繋がりません。
(今夜は陸ではサッカーのワールドカップの最終予選があったような・・・ うっ!見れない・・・(>_<))
ちゃんと仕事してますよ。
今日はその一つを紹介します。

今回の航海には、翼足類やクラゲ、その他浮遊生物の飼育実験餌料用に水族館から「シオミズツボワムシ(以下ワムシ)」と「アルテミアの卵」を持参して、ラボの一角で培養しています。
小型の水槽に水を張ってヒーターで水温を25℃に暖め、そこへ3Lのポリ容器にワムシと飼育水を入れて容器ごと沈めることで温度を取ります(ウォーターバス方式)。
ガラス管でエアーも忘れずに供給します。


シオミズツボワムシの飼育セット

そして一緒に持ち込んだクロレラを、毎日ワムシの状態を確認して随時与えています。
今日は飼育水が汚れてきたので換水しました。


只今ワムシの給餌中!

換水時に濾しとったワムシの一部を研究者の方の顕微鏡をお借りして、状態をよく観察してみました。
シャーレ内を元気に泳ぎまわり、体の中が緑に色づいてクロレラを食べているのがよく確認できました。
船内でも順調に増えていますね。


シオミズツボワムシ
(研究者の木元さんがとっても綺麗に撮ってくれました!)

「よし、よし。」準備万端ですね。
あとは・・・ ワムシを与える生物を採集するだけです・・・ (T_T)。
こうやって実験の準備を航行中にしておくことは我々のとても重要な仕事の1つです。
乗船している研究者のみなさんも同じです。

多少の荒天でも早く北上したいですが、荒れた海はとても危険ですからなかなかそうはいきませんね。
天候が回復することを祈るだけです。

そうそう!
この航海日誌もリアルタイムで、毎日船内で書いてますよ!!
書いた日誌を毎日えのすいにメールを使って送って、更新してもらっています。
これも私の乗船ミッションの1つです。

さて、明日はどんな1日になるのでしょうか。
動きのある1日を期待して・・・ では、また明日。


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2016.11.14 トリーター:杉村

2016/11/14 西部北太平洋調査航海(5)
航海日誌5日目

期間:2016年11月10日~11月25日
場所:西部北太平洋
目的:「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」


午前 4:00、枕元に置いた iPhoneのアラームが鳴った。
あ~眠っ!!
眠い頭とまだ動きの鈍い身体を動かして、揺れる船内の壁に肩を当てながら2階にある上甲板(6Kの格納庫)に向かいます。


本日の朝日

上甲板では既に切り離しの信号が送られ、観測器が海底から浮上を開始していました。
観測野帳には船からの距離がメモされていて、観測器までの距離は 3,600mと記されていました。
順調に浮上中とのこと。
数分おきに送信器より観測器に信号を送ると、昨日とは打って変わって力強く「ピー!ピー!ピー!・・・ 」と返事がかえってきました。
船との距離が縮まったからだそうですが、くっきりと通信音が受信できますが昨日のか細い音を聞いているので、とても元気よく耳に届きました。
聞くところでは3年半ほど前に海底に設置されたそうです。
そんな話を聞いていたので「ピー!」という電子音ですが、何となく「待っててね!今もどるよ!」と言っているようにも聞こえました。
実際に研究者の方も「暗い海底で一人、迎えを待ってたんですね。」「ちゃんと反応するんですね」と話していました。


電磁気計観測器と通信中

午前 7:30、受信機に表示される船との距離が 450m程になって、ほどなくするとブリッジより「発見!!」と連絡がありました。
(船との水平距離が 450mとして表示されたそうです:研究者より)。
船の 1時方向だと聞き探しに行きましたが・・・ 私には全く確認できません。
船員の皆さんは普段から海上でこういった観測器を探しているだけあって、さすがですね。
しばらくすると、斜めに傾いた観測器が波のうねりの合間に見え隠れしているのが見えました。
観測器は船員さんの手によってロープに繋がれ、船尾のしんかい 6500用のAフレームに吊されて船の上に回収されました。


回収される電磁気観測器

「お帰りなさい。」「待たせたね!」と言ったところでしょうか。

船上では私のミッションである、観測器の躯体に取り付けたサンプルプレートを無事回収しました。
サンプルの回収をしながら躯体をよく見てみると、細長い筒状の生物の棲管?のようなものがあちこちに付着していました。(現在調査中です)
また、躯体やビニルテープにヒドロ虫のポリプも付着していました。
水深 5,600mの深海にも生物がしっかりと生活しているんですね。
深海の調査には、毎回驚くことがいっぱいです。

長い午前中の作業を終えて「よこすか」は、目標地点に向かう(北へ)・・・ どころか、なんと南へ進路を!!
船内WEBの衛星写真画像を見ると、低気圧と思われる大きな雲が二つも!!
この低気圧を避けて南下しているとのこと。

さてこの先、この調査航海はどうなるのでしょう・・・
波乱の航海になりそうです!!
明日はもっと荒れるそう・・・ です。

今日はこれまで。


スパームーン「よこすか」より


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2016.11.13 トリーター:杉村

2016/11/13 西部北太平洋調査航海(4)
航海日誌4日目


期間:2016年11月10日~11月25日
場所:西部北太平洋
目的:「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」


天候は曇り、風が冷たく寒いですね。
毎日、左右、前後に大きい揺れが絶え間なく続きます。
船尾で水平線を見ていると、船の揺れで目線の上の方にあった水平線が船尾の下に潜り込むように見えなくなる程です。
時折地震かと思うような下から突き上げるような揺れもしばしばあって、船上でありながらドキッとしてしまいます。
そんな揺れで私は・・・大丈夫。
船は強いようで元気です。

ほぼ予定通りに海底電磁気観測機の設置ポイントに到着しました。
表層水は 14.6℃、水深約 5,600m。
海水温は意外と暖かいですね。
到着すると明日の回収作業の前準備として観測機がちゃんと起動するのか音波を使って確認する作業に取りかかりました。


観測機からの信号を確認するために集まっています。

まずは、船上から観測機に向かって信号を送ります。
しばらくすると受信機からノイズに混じって「ピー、ピー、ピー・・」と信号がかえってきました。
ちょっとか細い感じがしましたが、無事反応してくれました。
みんな安堵のようす、担当研究者の先生もほっとしたことでしょう。
作動確認の後は設置水深のチェック。
送信機から信号。
すると観測機から「ピー」と返信。
受信機の水深メーターに 5,600m前後の水深値が表示されました。
予想水深と一致です、すごいですね。
船が観測機の近くにいないと信号は送受信出来ませんから、「よこすか」の操船技術の確かさにも改めて驚きました!!
※設置場所から半径 500mの円内ですと信号が取れるそうです。

予定の変更はあったものの、やるべき作業は今のところ順調!?のようです。
明日は、早朝 3時から回収作業が始まります。
私も観測機に装着しているプレートサンプルの回収作業が今回のミッションの1つにありますので、今日は早めに休んで明日に備えたいと思います。


プランクトンネットの準備(VMPSネット)

さて、いよいよ本格的な作業はスタートします。
揺れが激しいので、気をつけてやりたいと思います。

では、明日作業の無事終了がお伝えできるよう頑張ります。
本日はこれまで・・・。


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2016.11.12 トリーター:杉村

2016/11/12 西部北太平洋調査航海(3)
航海日誌3日目

只今、実験準備中です
只今、実験準備中です
期間:2016年11月10日~11月25日
場所:西部北太平洋
目的:「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」


本日航海3日目。
まだまだ、先は長いですね~。

本日も順調に航行中と言いたいところですが、昨日の日誌に「調査海域に不穏な空気が・・・」と綴ったとおり、いやな予想が当たったようです。
海域に到着する頃には天候が荒れ、調査不能になるとのキャプテンからの連絡です。もって半日だそうです。

キャプテン曰く
「時期が悪いよ~。この時期はみんな爆弾低気圧だよ。」

本研究課題では、未だ冬季データの収集が出来ていないそうですので、逆にこの時期の観測に意味があると聞いています。
とはいえ、自然には勝てませんね。
そこが海洋観測の難しさですね。
乗船している研究者のみなさんは、このチャンスにかけて観測データを集めに来ているわけですから・・・ なんとも辛いところです。
乗船している私も大型の翼足類やクラゲなどの飼育研究のチャンスでもあるわけですから。

・・・ということで、予定の変更が余儀なくされました。
ミーティングの結果、日程を逆転させて相乗り研究課題の「海底電磁気の観測機の回収」が先になり、航路の変更となりました。
観測機の回収後、本来の調査海域の海況のようすを見てという事になりました。
・・・最悪は考えたくありませんね。
海況の回復を祈りたいと思います。

昨日から本日にかけて東経150°を越えましたので、本日 0:00 をもって船上では時間調整が行われました。
みなさんの時間より1時間早まって活動していますよ。

船上では航行時間を使って「洋上セミナー」も行われ、海底の電磁気と津波の関係についての講話を聞くことも出来ました。
なかなか聞く事の出来ない分野でもありますので、大変勉強になりました。

実は・・・ 私もセミナーを担当することになりました。
今からちょっと緊張しております。
さてさて、予定日までに内容をまとめなくては・・・

まずは明日、無事に回収地点に到着することを祈って。
ではまた明日。


CTD:水質観測機



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2016.11.11 トリーター:杉村

2016/11/11 西部北太平洋調査航海(2)
航海日誌2日目

期間:2016年11月10日~11月25日
場所:西部北太平洋
目的:「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」


本日は午前から「操練」が行われました。
操練とは、船の緊急時の避難訓練だと思ってください。

これまで、「なつしま」や「新青丸」の航海でも操練は行ってきましたが、特に今回は非常に寒く、海水温も低い場所が調査海域であるということで念入りに行われました。
私たち研究者は、居室にあるヘルメット、救命用ベストそしてイマーションスーツ(防寒スーツ)をもって「よこすか」のファンネルデッキ(船の最上階に当たる広いデッキ)に集合した後、一等航海士よりさまざまな諸注意を受けました。
今回はそれだけではなく、イマーションスーツの着用訓練を初体験することが出来ました。


イマーションスーツ

このスーツを着ていれば、0℃の海水に飛び込んでも体温を奪われることなく、しかも浮いていられるという優れものだそうです。
いざ着用すると ・・・ 宇宙服?のよう。
訓練中ちょっと不謹慎ですが、ついはしゃいでしまいました。


押谷研究員が着用してます

周りを見渡すと、オレンジ色のもこもこスーツがずらり ・・・ デッキの上にはちょっと異様な光景が。
自分の命を守るスーツですのでこんなことを言ってはいけないのですが、なかなか見られる光景ではないので、思わずiPhoneのシャッターを切ってしまいました。


この海域にこのスーツが無い状態で飛び込めば、15分で気を失ってしまうそうです。
これから行く場所は私たち人間にとって、とても過酷な場所なんだと改めて実感しました。
訓練は重要ですね ・・・ 海でも ・・・ 陸でも。
実際に着ることにならないよう願いたいです。

海況は、今のところ良好。
船の揺れもそこそこ大きいですが特に辛くはありません。
・・・ですが、目的海域方面には、なにやら不穏な空気が漂っているよう。


「よこすか」からの夕焼け

さて明日は、どのような1日になるのでしょうか ・・・ 。
何かどんでん返しの予感が ・・・ 。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)YK16-16 西部北太平洋「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」を目的とした調査航海

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2016.11.10 トリーター:杉村

2016/11/10 西部北太平洋調査航海(1)
航海日誌1日目

「よこすか」ブリッジより
「よこすか」ブリッジより
期間:2016年11月10日~11月25日
場所:西部北太平洋
目的:「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」


みなさん!こんにちは!!
本日、豊洲市場対岸の晴海埠頭より調査航海(YK16-16)に出発しました!
航海番号の「YK」といえば支援母船「よこすか」のイニシャルです。
支援母船「よこすか」といえば、「しんかい6500:通称6K」の母船として知られている調査船ですよね。
6Kは現在、JAMSTECの横須賀本部で機器の調整中ですので、今回はいつもの潜水艇を使った調査とは少し違った航海です。

近年、大気から海洋への二酸化炭素 CO2の吸収による海洋の酸性化の進行が危ぶまれていますが、今回は海洋の水質や棲息しているプランクトンなどを調査することで海洋の酸性化の進行状況やその影響を明らかにしていこうという調査航海に参加しています。
CTD(塩分や水温など計測する機器)やプランクトンネットなどを使った調査です。
今回の調査海域は、西部北太平洋ということで北方領土の沖合あたりだと思ってください。
調査海域までは3~4日ほどかかる予定で、全行程16日間の長丁場です。

これまで相模湾、小笠原、沖縄など比較的暖かい場所での調査に参加してきた私ですが、「北の海」は初めてです。
「北の海」の寒さがどのようなものか・・・、
し・か・も海が荒れているらしい。。。です。
※「低気圧の墓場」ともいわれているとか・・・

どのような調査になるのか、航海には大分慣れてきた私ですが正直不安です。
その反面、どのような海なのか?どのような生物たち(クラゲやプランクトン、魚類などなど。。。)に出会えるのか?とても楽しみなことも確かです。
何時になっても、「初めて」はドキドキですね。

この海域では、クリオネなどの翼足類という脚が翼のようになっている貝の仲間などが採集されるそうです。
クラゲにも出会えそうですね。

さあ、今日は粗方水槽などの設置も終わりましたのでこれからの長い航海に備えて、早めに休みを取りたいと思います。

今日から25日まで、ちょっと長いですがどうぞ航海日誌にお付き合いいただけましたら嬉しいです。

ではでは、初日はここまで。


6Kの格納庫に収まった冷蔵機能付きコンテナラボ



11月7日のコンテナの積み込みのようす(巨大なクレーンで積み込む)


JAMSTEC(海洋研究開発機構)YK16-16 西部北太平洋「海洋酸性化の進行とその影響に関する研究」及び「海底電磁気観測による津波の早期警戒」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-


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