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ホーム > 航海・採集日誌

航海・採集日誌

2019.05.21 トリーター:足立

2019/05/21 豊潮丸 黒潮流域調査航海(2)
航海採集日誌 2日目

軍艦島沖 航行中です
軍艦島沖 航行中です
期間:2019年5月20日(月)~5月30日(木)
場所:広島・呉~沖縄
目的:黒潮流域のプランクトン・ベントス・ネクトンの分布調査


ただ今 長崎の南沖を回航中です。
軍艦島が見えました。

昨夜はたまに少し体がふわっとなるぐらい揺れたので、朝、
「おはようございます。夜は結構揺れましたね。」
とご挨拶した相手は極地研の方で、
「いえ、このぐらいの揺れは寝心地がいいですよ」
と、余裕のご返答でした。
南極方面はやはりすごいようです。

今日は回航だけなので、各乗船研究者が、持ちネタを発表しています。
勉強になります。


2019.05.20 トリーター:足立

2019/05/20 豊潮丸 黒潮流域調査航海(1)
航海採集日誌 1日目

お世話になる広島大学の練習船「豊潮丸」
お世話になる広島大学の練習船「豊潮丸」
期間:2019年5月20日(月)~5月30日(木)
場所:広島・呉~沖縄
目的:黒潮流域のプランクトン・ベントス・ネクトンの分布調査


広島大学の練習船「豊潮丸」の調査航海「黒潮流域のプランクトン・ベントス・ネクトンの分布調査」に参加しています。
5月20日~5月30日 呉から沖縄までの往復です。
どんな生物に出会えるでしょう?
また、さまざまな研究者の方々が乗船されているので、いろいろお話をお伺いするのも、とても楽しみです。

今日は広島県の呉を朝 8時45分に出航しました。
緊急時の訓練の後、船内の案内をしていただきました。

13時30分 1つ目の観測点 伊予灘でドレッジを行いました。
上がって来た泥をふるいにかけていくと、ヤマトスナホリムシというダンゴムシのような生物が現れました。
シャーッと泳ぎ回っています。

21時30分ごろ関門海峡を通過しました。
九州西岸を南下し、種子島をめざします。 少し揺れています。







2019.05.12 トリーター:佐野

2019/05/12 江の島周辺海域調査

江の島南側
江の島南側
期間:2019年5月12日(日)
場所:江の島周辺海域
目的:藻場モニタリング、新規モニタリングポイント設置、ワカメ遊走子設置


今年度最初の江ノ島フィッシャーマンズプロジェクトの活動でした。
今回はこれまでのモニタリングポイントに加え、新たに6地点を設置しました。
自分の伸ばした手が見えなくなってしまうほどの濁りに苦戦を強いられましたが、ベテランダイバーの方々の毎度鮮やかな立ち回りで、新ポイントの目印設置、及びモニタリングを行いました。


コドラート調査のようす


作業のようす


新ポイントに設置した目印

今後水温が上がってくると食害生物が出てくる可能性がありますので、まだ安心はできませんが、前回の調査に比べ、アラメ、カジメが多く観察されました。
今の所、心配されていた食害の痕跡は見当たりませんでした。
ほんのわずか離れただけで、アラメやカジメが見られなくなったり、やや深い場所でワカメが観察されたりと、江の島と一口に言っても違いがあるのは面白いです。
さらに海中にワカメの遊走子を付着させたネットを設置しました。
これが成功して順調に成長してくれれば江の島ブランドのワカメの誕生です。
今後の江の島の海に引き続き注目です。


2019.05.06 トリーター:伊藤

2019/05/06 相模川カニ類調査(4)
渋滞横目にゴクラク調査

期間:2019年5月6日(振・月)
場所:相模川
目的:半水棲カニ類の生息状況の把握


みなさま こんにちは。
今日で10連休も最後ですね。
当館にも大勢のお客さまがお越しくださいました。ありがとうございます。
そんな繁忙なさ中、私はまったりと(しかし真面目に)相模川の河口に調査に出かけていました。
現地から斜め上を眺めると、川にかかる橋に車がぎっちり並んでいます。
まぁ大変そう・・・。
そこから300mと離れていない私のまわりは、家族連れが楽しむような場所ではないためか、ほとんど人影なし!低い人口密度のなか、孤独を楽しみました。

同シリーズ日誌を書くのは久々ですが、相模川へは暖かいシーズンには 月数回のペースで訪れていまして、ちょっとした報告[研究発表:2018年8月 相模湾の汽水域で確認されたカニ類 -特に北限産出となる希少種の記録について-]もまとめることがかないました。
今回は、前回までの採集日誌において、論文投稿中のために紹介を控えていた種についても、触れたいと思います。
まずは・・・

ヒメヒライソモドキ
一昨年の時点で見つけており、昨年夏に論文に記すことができた希少種です。
今のところ、ここ相模川での報告(つまり私の採集例)が本種の分布北限記録なのです。
オスのハサミの外側だけにフサフサの毛が生えており、眼が比較的大きいという特徴があります。
水底の砂をすくい取り、ネットの上で洗いながら探したところ、大小さまざまなサイズが見つかりました(ということは、越冬に成功しているのでしょう)。
同所にたくさんいるケフサイソガニ類とはもはや、動きや形の「なんだか違和感」で迷わず見分けることができます。
オスであれば水に入れて、毛の生え方をチェックすることで本種と確信できます。
とっても小さいカニですが、ぞくぞく来るカッコよさ!
何とか展示しお見せできないかなと思っています。


ヒメヒライソモドキ。どこにいるか分かりますか?


ヒメヒライソモドキ。ハサミの毛がフサフサ。

他にもちょっと珍しい生物が見られたので紹介します。

トゲアシヒライソガニモドキ
こちらは昨年まで相模湾キッズ水槽で展示していました。
ハサミだけではなく、足(歩脚)の方に長い毛がたくさん生えています。
他のカニと全然違いますよね?
これもかっこいいです。
相模川のもうちょっと上の方でも採集されており、そちらが北限記録になっています。


すね毛フサフサ。トゲアシヒライソガニモドキ。

チチュウカイミドリガニの幼体
だと思われます。
本種自体は江の島でもたまに見つかり、見たことがあるのですが、幼体はなんだか毛深くて、雰囲気が違います(ほんとにチミドリかなぁ?)。
外来種ですが、相模湾では爆発的に殖えていない印象です。


チミドリ?ちょっと自信ないので調べ中。

アサリとホトトギスガイ
おなじみのアサリですが、近年の相模川ではレアだと言えます。
ホトトギスガイはいわゆるムール貝の仲間で、貝殻が薄いので、力のあまり強くない小型カニ類の獲物として重要だと言われています。
これらの生息数が相模川で殖えていけば、それを食べるカニや鳥も増えて、40年以上前のにぎやかな干潟に戻るかも知れません。


アサリ(左)とホトトギスガイ(右)


ここからは魚です。

ゴクラクハゼ
この時期は河口で幼魚が多く見られます。
泥にまみれているとマハゼやアシシロハゼと間違えがちですが、何となく体が硬くてシャキッとしており、体にブルーがきらめくので本種と分かります。
水面下の浅瀬は、まさに極楽の楽園といったところでしょうか(日誌のタイトルもこちらから)。
当館では「川魚のジャンプ水槽」に成魚がいます(真ん中あたりの丸い石がごろごろしているあたりにいることが多いです)。


河口のイメージがあまりないゴクラクハゼ。

チワラスボの仲間
赤黒く細長い体と、退化気味な小さな眼が特徴の珍魚です。
相模川では 1998年に地元の小学生によって採集され、平塚市博物館の故浜口哲一さまにより初記録されています。
潜る性質が強いので、展示難易度は高そうです。
当館の「海岸水槽 干潟(江奈湾 三浦市)」に入れておけば、人知れずひっそりと育つかも知れません。


ハゼとは思えない異形のチワラスボの仲間

ヒナハゼ
これも相模川ではレアですが、沖縄に行った時には、小さな水路でそれこそ「湧くように」採集されたのを覚えています。
寸詰まりで小鳥のような雰囲気が素敵ですが、酸欠や擦れには弱く、カニや他の魚と一緒にキープしているとすぐにフラフラになってしまいます。
本種だけで大事に持ち帰り、展示飼育したいところです。


ヒナハゼ

カワアナゴの仲間の幼魚
日本にはよく似た 4種のカワアナゴ属が生息しており、カワアナゴ以外は亜熱帯地方に多く見られるのですが、相模湾からはこれら 4種とも記録があるので、よく調べないと種が確定できません。
頬っぺたのすじを数えたりするので、生きたままだと結構難しいです。
当館では、巨大なカワアナゴの成魚を「皇室ご一家の生物学ご研究」で展示しています。


カワアナゴ属幼魚。
尾びれの感じからオカメハゼではなさそう。

ハゼといえば、当館でも展示紹介させていただいている上皇陛下のご専門分野です。
今回採集されたカワアナゴ属やヒナハゼ属の中に複数の種が含まれていたり、よく似た種類と混同されていたことにいち早く気が付かれ、論文にしてご報告されていることは驚くべきことです。
現場で生の魚を見ていると特にそう感じます。
最後は魚の話題が主になってしまいましたが、今後も継続して相模川を見ていけたらと思っております。

バックナンバー
2017/07/12 相模川カニ類調査(1) 最近の相模川カニ類の生息状況
2017/08/19 相模川カニ類調査(2) あの希少種はいま
2017/08/19 相模川カニ類調査(3) 相模川に新顔登場か?


2019.03.05 トリーター:西川

2019/03/05 駿河湾底曳網採集

期間:2019年3月5日(火)
場所:駿河湾
目的:メンダコをはじめとする深海生物の採集


みなさん、こんにちは!
毎年駿河湾で行っている深海生物の採集に今年も行ってきました。
と言っても私が乗船するのは今回が初めてです!
底曳網漁をしている漁師さんの船に同乗させていただき、生物を採集してきましたので報告いたします。

出航時間が朝の4時30分だったため 前日から準備しましたが、天気は雨でした。
当日も雨なのでは... と不安がありましたが朝には雨が上がり、日が昇り始めるころには快晴となり、とても気持ちの良い陽気の中で作業することができました。
船からはこんな風に富士山も綺麗に見えましたよ!


日が昇ってからでなければ網を曳いてはいけないルールなので、日の出までしばらく気合を入れながら待ちました。


日が昇り始めいよいよ網入れの開始です。
網を落とすと船が動き始め、網を曳くロープもピンと張ります。
薄暗くて見づらいですが左右にあるロープの先に網があり、少しの時間網を曳いた後、巻き上げ機を使ってロープを巻き上げていきます。
船上は左右に揺れているので、勢いよく巻き上げられているロープに絶対に触らないようにとドキドキしながら、またどんな生物が揚がって来るのかとワクワクしながら待っていました。

今回網を曳いたのは水深 180~250mで、網が上がってくるのもかなりの時間がかかりました。
そしてようやく上がってきたのがこちらです。


おお、すごい泥!
見た感じ魚たちはほぼ死んでしまっているように見えますが、この中の生物をトリートして水族館へ運びます。
さて、メンダコはどうでしょう。
トリーターは網が揚がった瞬間から目の色を変えてメンダコを探します。
メンダコには独特の臭いがあるらしく、漁師さんが揚がってきた瞬間にメンダコの臭いがすると言っていました。
甲板に揚げられた状態でもパッと見た限りではメンダコがいるように見えないので半信半疑でしたが、良く探してみるとなんと3個体もいました!
さすが漁師さん、私は少しもメンダコ臭を感じることが出来ませんでした。

因みに、漁師さんが狙うのは海底に棲むアカザエビやチヒロエビなどの甲殻類です。
船に乗せていただいているので仕分けのお手伝いもしました。
こんな感じで繰り返し網を数回曳いていきます。
結果を一つずつ紹介すると長くなってしまうので、そのうちのいくつかを紹介しますね。




薄いピンク色をしたエビはサクラエビで、群れで生活しているので一度にたくさん入りました。
水深 180m~250mのさまざまな場所で網を曳き、メンダコはなんと計7個体!
好成績でした。
たくさんの生物が網に入ると、網を上げてくる途中で押しつぶされたりエビのとげが刺さったりするのですが、今回の生物が少なかった網のメンダコの状態は良さそうで、きれいな状態で収容することができました。


次からは今までよりも浅い場所で行うので、生物の種類も全く変わります。
移動した場所では残念ながらメンダコは入りませんが、人気の魚アカグツが目当てです。


あ、空き缶!
何よりも先に目が行ってしまいました。海はきれいに利用しなければいけませんね。
このように浅場になるとエビの仲間はほとんどいなくなり、赤い魚のヒメコダイやトラ柄模様のミシマオコゼ、中央付近にある薄い黄色のもしゃもしゃしたウミトサカの仲間が増えました。
そして、アカエイやマトウダイなどの魚に混ざってアカグツがいました!
目標達成です。
と言っても漁師さんに取って頂いたものですけどね!

漁が終わった後は、予定していた生物をなんとか確保できたという達成感と、船酔いしなくて良かったという安堵感でいっぱいでした。
しかし、家に帰るまでが遠足と同じように、水族館の水槽に収容するまでが底曳網採集です。
採集された生物をトリートしながら港へ戻り、緊張感を保ちながら水族館へ戻りました。

今回の乗船ではメンダコやアカグツ、ミドリフサアンコウ、ミカワエビ、ミノエビなどの生物を水族館へ収容しました。
7個体いたメンダコは残念ながら展示終了してしまいましたが、アカグツやミドリフサアンコウなどは展示していますのでぜひご覧ください。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-


2018.11.20 トリーター:杉村

2018/11/20 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(6)
航海日誌 6日目 (最終日)

間もなく、下船です
間もなく、下船です
期間:2018年11月15日~11月20日
場所: 沖縄中部トラフ
目的:多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明 / 悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索


みなさん!
早いもので、もう今日で下船です。アッという間の6日間でした。
・・・ なんかいつも最終日はこんな書き出しだったような気が・・・ と思いつつも、相変わらずの速さで調査航海は終了しました。
陸が恋しいような、まだ船に乗っていたいような・・・ そんな気分です。

今朝は、日も上がらぬ朝早くから下船の準備です。
海上は風が強く、船はそこそこ揺れていました。
昨日の日誌にも書いたと思いますが、私の片づけはこれから。
まずは、生きているゴエモンちゃんたちを搬送する準備です。
発泡スチロールや保冷剤などを、せっせと冷倉庫のある部屋から持ち出しました。
海水の水温や数を計測しながら作業は進み、昨夜のうちに準備をしておいたお陰で、下船時間 9:00前には何とか片づけることができました。
これまでの乗船経験もあって、なかなか早く片付け準備が整いました。


搬出を待つ荷物たち

毎回、沖縄下船や前回の鹿児島下船などは、昼近くまでバタバタするんですが、今回はちょっとですがゆったり下船ができました。

今回の航海では、久しぶりの熱水噴出域を観るができたことはもちろんですが、3年前の航海の時と同じ場所での潜航調査でしたが、そこには新しいチムニーができていたりと、数年をかけて少しずつ変化していく深海の姿を実感することができた調査でした。
また、沈設した鯨骨のようすや 5,000mの深海の世界をLIVEで見ることができたことも収穫でした。

このように得られたゴエモンたちは、水族館では研究用にすべてに番号を付け、大きさと性別も記録して管理します。
※JAMSTECでは、全てのサンプルにID番号が付いていて、全て管理されているんです。
そして、えのすいではJAMSTECとは別に、航海で得られたサンプルほぼすべてに飼育研究用に番号が付いています。
そうすることで、どの個体がいつどこでどのような方法で採集され、どのような研究をしたのかなどを記録することができ、研究の成果として残し、さまざまな研究会などで公表しています。
そして、その研究をもとに、さらなる研究を行うことができるようになります。
こういったことを研究者のみなさんと連携して行うことは、えのすいの深海チームの重要なミッションなのです。

さあ!水族館に戻ったら、さらに飼育日数を更新して未だ謎に満ちたゴエモンコシオリエビの生態を明らかにしたいと思います。
今日まで6日間の間、私の航海日誌にお付き合いいただきましてありがとうございます。
次は、新江ノ島水族館の深海展示でお会いしましょう!

本航海KR18-15につきまして、大変お世話になりました「かいれい」乗組員のみなさま、「かいこう」運航チームのみなさま、そしてご乗船されました研究者のみなさまに、この場をお借りしまして感謝申しあげます。


いよいよ、沖縄を離れます


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KR18-15「かいれい」/「かいこう」 「多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明/悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-


2018.11.19 トリーター:杉村

2018/11/19 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(5)
航海日誌 5日目

沖縄本島が見えたぞ!
沖縄本島が見えたぞ!
期間:2018年11月15日~11月20日
場所:沖縄中部トラフ
目的:多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明 / 悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索


調査船「かいれい」は、只今沖縄本島南東部の沖合に停泊しています。
天候は、雲は多いですがおおむね快晴といったところでしょうか。
海況の方は、午前中は少々のうねりと白波がたっていて、夕方には風が出始め、「かいれい」が少々揺れています。

昨日で調査は終了、今日は回航日になりますが、実質的には最終日ですね。
乗船している研究者のみなさんは、AM 7:30の朝食の後、片付けを始めています。
私も片付けと・・・ といきたいところですが、水族館に研究用に持ちかえるゴエモン(ゴエモンコシオリエビ)たちのお世話がありますので、片付け 5割、明日の搬送の準備 5割、残った時間で少々の休憩と潜航内容の整理や航海日誌の作成、あとは陸から持ち込んだ事務仕事をしています。
回航日でも、やること結構あるじゃん?!

昨日まで、ラボの中には顕微鏡や採泥コアなど、あらゆる分析機器がところ狭しと並べられていましたが、夕方には、その多くが搬送用のコンテナや宅配便用に梱包されてしまいました。


搬送用のコンテナでいっぱいのデッキ

残っているのは、少々の荷物と私の使っている飼育水槽と用具・搬送用発泡スチロールくらいでしょうか。
私の荷物は、宅配便に託すものと自分で持ちかえるものとに分かれるので、宅配便用の荷物で飼育関係の機材以外はほぼまとめました。
ゴエモンたちは元気で生きていますので、下船ギリギリまでは搬送作業は出来ません。
飼育水槽の中のゴエモンたちや水の状態を観ながら、明日までにもう一作業必要です。

夜の換水処理用、明日の搬送用に大量の冷海水(水温3.5℃)を作っておく必要がありますから、未だ大型冷蔵庫の中には10個程のバケツとポリタンクが詰め込まれています。

明日は、AM 9:00に那覇新港に着岸予定なので、それまでに全ての荷造りが必要です。
そして、那覇新港には我々の下船を待つ次航(KR18-16)のみなさんも待っていますので、下船日は荷物と人の入れ替え作業もあって、より大変です。
特に今回のように遠方地の下船で”えのすいトラック”の来ない時は・・・ 時間との戦いもあって正直なかなか辛いです。
”えのすいトラック”と迎えに来るスタッフ“えのすいスタッフのみんな”のありがたさをいつも以上に感じています!!
ホント!ありがとう!!

明日は、朝 5時には荷造り開始の予定です。
早起きをしないと大変なことに・・・
下船に向けて最後の準備をしたいと思います。

それでは、また明日。


本航海に参加した研究者のみなさん



JAMSTEC(海洋研究開発機構)KR18-15「かいれい」/「かいこう」 「多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明/悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています


2018.11.18 トリーター:杉村

2018/11/18 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(4)
航海日誌 4日目

薄明
薄明
期間:2018年11月15日~11月20日
場所:沖縄中部トラフ
目的:多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明 / 悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索


「かいれい」上空は少々雲が多く、遠くの雲の間から太陽の光が差し込むような天気でした。

本日の潜航地点は、南西諸島沖の水深 5,000mの海底です。
着底までは約 3時間を要するため、これまでより 1時間前倒しでの準備です。
AM 5:30に居室のベットから出て、えのすいの作業着に着替えて”かいこう”のあるデッキに、6時前には降りていきました。
既に運航チームのみなさんは、準備を始めていました。
デッキから外を見ると、遠くの空がうっすら白く見えました。
これが、夜明け前の薄明(はくめい・はくみょう)というやつですね。
沖縄の朝は、寒くもなく暑くもなく爽やかでした。

さあ、深海 5,000mに向けて!

“かいこう“が目指す 5,000mへは簡単には行けない世界です。
何が簡単ではないか・・・
「水圧」という単語がみなさんの頭の中には、最初に想い浮かびそうですが、実際には「海水」そのものの存在が簡単ではないんです。
「水圧」は、その圧力に負けない素材や構造のものを作れば克服することは出来ます。※当然、これはこれで、簡単ではないのですが・・・ 。
それよりやっかいなのは、海の中では電波が使えないことです。
我々は、日常ごく普通に何の疑いもなく、携帯電話や車のナビシステムを使っていますよね。
海の中では、その携帯電話やナビシステムが使えない・・・
つまり、“電波”が使えないということです。
では、海の中での通信手段はというと・・・ “音波”を使います。
※最近では光などを使った新しい通信方法も開発されていますが、その多くはまだ開発段階です。
現在の日本の技術では、音波で位置情報や音声・画像までも送ることができ、しんかい6500では実際に使われています。
・・・えのすいで展示している「しんかい2000」も音波で通信していました・・・
音波での通信は深くなればなるほど、通信のタイムラグが長くなり、探査船などから送られてくる位置情報にはズレが生じやすく、位置を正確に把握することが難しくなってくるそうです。
コンピューターも、それを考える人も進歩しますが、それでもまだまだ壁はあるようなのです。

なぜ? このような話をしたかというと・・・
実は本日の潜航、最終的に目的の海底に辿り着く事が出来なかったのです。
海水の壁は、思った以上に高かったのです。
今回のような水深ではなおさらなのでしょう。
5,000mもの深さになると、海況や海流の影響を受け、さらに水深による位置情報の乱れやズレが大きかったようでした。
何も無い海底では、位置情報だけが頼りですから・・・。
実際に計器を観ているとビークルの表示位置があっちこっちにバラバラに表示されていました。

本当に「深海」は、宇宙に行くより難しい!!

5,000mの世界は、昨日の 2,000mよりさらに静寂の世界でした。
“かいこう”が航行する間、モニターに映し出される泥と泥岩で覆われた海底に目を凝らしていましたが、ユメナマコと思われるナマコの仲間が 1~2個体と、小型のクシクラゲの仲間を 2~3個体、魚類?と思われる生物をぽつりと見たくらいでした。
マリンスノーは非常に少なかったです。
昔の人たちが、「深海に生物が存在しない」と言った理由が、何となく分かるような気がしました。
一昨日の熱水噴出域の生物の豊富さが嘘のようにさえ感じました。


5,000mの海底

研究者のみなさんは、水深 5,000mの泥や海水を採取して泥の中の小さな生物や微生物を調べられていました。
どんな生き物がいるのか、これも楽しみです。

今日は、深海調査の厳しさと難しさを改めて感じた1日でした。
これから夜にかけて、我々のいる海域は海況が悪化するということで、船は移動を始めました。
夜から朝にかけて沖縄本土の近くに到着の予定です。

それでは、また明日。


Aフレームの合間から夕日が・・・


5,000mからお帰り・・・ ブ○メン!


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KR18-15「かいれい」/「かいこう」 「多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明/悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-


2018.11.17 トリーター:杉村

2018/11/17 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(3)
航海日誌 3日目

調査船「かいれい」からの朝日
調査船「かいれい」からの朝日
期間:2018年11月15日~11月20日
場所:沖縄中部トラフ
目的:多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明 / 悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索


天候は、快晴とはいきませんでしたが、少々曇り空がちで所々に晴れ間が、といったところでしょうか。
“かいれい”は、今日も心地よく揺れています。
中には少々気分を悪くされた研究者の方がいたようでしたが・・・ 。


無人探査機「かいこうMk‐lV」: 着水

今日と明日は、私たちとは別の研究グループのみなさんの潜航調査です。
ターゲットは、水深 2,000m付近の海底。
その海底には、十年ほど前に研究のために沈設した鯨骨があります。
最初のミッションは、その鯨骨を探すところから。
沈設後、何度か訪れているとのことですが、そのたびに見つけられるかドキドキだそうです。
水深 2,000mに到着すると、照明に当たって、濃紺から緑色に変化する海中と黄土色に染まった海底が広がる世界が“かいこう”から送られてきます。
海中には、クラゲの仲間やクサウオの仲間と思われる深海魚がぽつりぽつりと姿をみせてくれます。
昨日の熱水噴出域とはうって変わった静寂の世界です。
しばらくすると、画面の奥の方に白く光る物が見えてきました。
それは・・・ 鯨骨に取り付けたマーカーです。
みんな安堵の表情でメインモニターを見つめていました。
私もその中の一人でした・・・

海底には、しっかりと鯨骨が沈んでいました。
沈設してから何年もかけて、いろいろな生物に分解されてきたのでしょう、設置するときに固定していたであろうロープがユルユルになっていました。
少し小さくなった骨の上には、真っ白な体のシンカイコシオリエビの仲間が何匹か付いていました。
時折びっくりしたコシオリエビが、腹部をイセエビのように小刻みに動かして、ピッピッピッピッと鯨骨から離れて泳いでいきます。
よくもまあ、広大な深海の海底でここにたどり着けるものだと思います。
彼らはいったいどうやって、深海の広大な海底にあるこの鯨骨を見つけたのでしょうか?
ここに来る途中には何も身を隠すものが無かっただけに、この光景を実際に目の当たりにするとますます謎が深まります。

鯨骨をハイヴィジョンカメラでよく観察すると、表面には他にも小さな生き物たちが付着しているようでした。
広大な深海の海底には、鯨骨をはじめとして沈木などが沈んでいます。
そういった沈没物にどのような生物が付き、どのように利用しているのか、またどのように変化していくのか、こういったことをさまざまな研究者のみなさんが調査をしているのです。

鯨骨の調査の後、大型の生物などを探索しに再び静かな海底を航行し始めました。
濃い赤紫色をしたユメナマコの仲間が海底にじっとして・・・ と思った瞬間、ぶわっと海底からジャンプして泳ぎ出しました。
なんともゆっくりな動きですが、水深 2,000mの高水圧下では必然的にこういう動きになってしまうんでしょうけど、やっぱり優雅でした。
その後も浮遊していたり、海底にじっとしているナマコの仲間に何度か出会うことが出来ました。
ここで、生物探索のユメ(夢)の時間は終わり、“かいこう”は離底しました。


無人探査機「かいこうMk‐lV」: 揚収

今夜は、研究者のみなさんが、揺れる船の上で顕微鏡とにらめっこをしながら回収した沈設物や泥などのサンプルの中から生物たちを探しています。
夜遅くまで生物探しは続きそうです。
明日、みなさんからの成果を聞くのが楽しみです。


研究の合間に・・・

船は、既に次の調査地点に到着しています。
そして、明日は、最後の潜航日です。
海が荒れないことを祈りたいです。
ではまた。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KR18-15「かいれい」/「かいこう」 「多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明/悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-


2018.11.16 トリーター:杉村

2018/11/16 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(2)
航海日誌 2日目

「かいこうMk‐lV」: まるで、○ンダ○のカタパルトデッキのよう?!
「かいこうMk‐lV」: まるで、○ンダ○のカタパルトデッキのよう?!
期間:2018年11月15日~11月20日
場所:沖縄中部トラフ
目的:多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明 / 悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索


調査航海2日目です。
いよいよ、本格的な深海調査が始まります。
本日は、私の所属しているグループの潜航日です。

潜航調査場所は、沖縄トラフ伊平屋北海丘です。
ここは、3年前の航海でも潜航した場所で、水深が約 1,000mの地点です。
朝、少々風が強く船は揺れていましたが AM 9:00には、予定通り無人探査機「かいこう」は沖縄の海の中に消えていきました。

水深 1,000mの海底に着くまでの約 1時間の間には、クシクラゲやクダクラゲの仲間をいくつか見かけることが出来ました。
水深が 700mを超えた辺りからハダカイワシの仲間でしょうか、ぽつり、ぽつりと出会うことも出来ました。

しばらくすると司令室のメインモニターにうっすらと山のようなシルエットと斜面を覆った白い大きな塊が見えてきました。
この海域には巨大なチムニーが 3つ程あり、その一つに到着したようです。
運航長が「ビークル、着底! 水深996」とコールします。

チムニーの斜面を覆っている白い大きな塊は、ゴエモンコシオリエビの大群落です。
群れの中や周辺部には、貝殻が黄色く縁取られたシンカイヒバリガイの仲間やオハラエビの仲間が見え隠れしています。
よく見るとユノハナガニも数個体観ることが出来ました。
熱水噴出孔近くには、別の種類のオハラエビの仲間も群れで集まっています。
この海域のオハラエビは、数種類確認されていて、同じチムニーで生活していながら、その生活場所はちゃんと分かれているところが面白いですね。

巨大なチムニーの先端には、200℃を超える熱水が噴き出して、白く沸騰しています。
このチムニーの中腹を観察していると、所々に軒のように張り出した部分があります。
“フランジ”と呼ばれるもので噴き出した熱水が他のチムニーに当たり、熱水に含まれている海水によって冷やされた金属などが固まって、徐々に外側に張り出して出来ていきます。
フランジの下の部分には熱水が溜まり、ROVのライトに当たって鏡のようにキラキラと輝いて、とても綺麗です。
チムニーのふもと付近には、タラバガニ科の仲間もみられ、何かを物色しているようでした。

沖縄の熱水水噴出域は小笠原の熱水噴出域に比べると、とてもアクティブで生き物も豊富です。
これには、いつみても感動しますね。
深海トリーターの醍醐味といったところでしょうか。
ここ沖縄には、シロウリガイも居るはずなのですが残念ながら今回は発見できず・・・ ですが、チューブワームのなかなか大きな群生地を見ることが出来ました。

久しぶりの沖縄は、やっぱり良いですね!
また、水族館でゴエモンの飼育をすることが出来ます。
今度は、より多くのゴエモンたちが1日でも長く飼育出来るように、そして研究に役立てるように、えのすいの深海チームみんなで頑張りたいです。
水族館へ帰るまでは、まだ 1週間ほどありますが、まずは船の上で頑張ります!

それでは、また明日。


朝の沖縄トラフ: 海しかない・・・


司令室のようす: 結構広いけど寒い・・・


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KR18-15「かいれい」/「かいこう」 「多系統群から探る普遍的な極限環境適応機構の解明/悪玉細菌群の制御を目的をした広宿主性ウイルスの探索」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-


2019/06/27 外来巻貝調査(1)

2019/05/30 豊潮丸 黒潮流域調査航海(11)

2019/05/29 豊潮丸 黒潮流域調査航海(10)

2019/05/28 豊潮丸 黒潮流域調査航海(9)

2019/05/27 豊潮丸 黒潮流域調査航海(8)

2019/05/26 豊潮丸 黒潮流域調査航海(7)

2019/05/25 豊潮丸 黒潮流域調査航海(6)

2019/05/24 豊潮丸 黒潮流域調査航海(5)

2019/05/23 豊潮丸 黒潮流域調査航海(4)

2019/05/22 豊潮丸 黒潮流域調査航海(3)

2019/05/21 豊潮丸 黒潮流域調査航海(2)

2019/05/20 豊潮丸 黒潮流域調査航海(1)

2019/05/12 江の島周辺海域調査

2019/05/06 相模川カニ類調査(4)

2019/03/05 駿河湾底曳網採集

2018/11/20 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(6)

2018/11/19 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(5)

2018/11/18 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(4)

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2018/11/16 沖縄トラフ伊平屋北海丘深海調査航海(2)

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2018/07/07 江の島周辺海域・藻場モニタリング

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2018/04/06 伊豆諸島海域調査航海(4)

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2018/02/28 東京湾干潟調査

2017/08/19 相模川カニ類調査(3)