2008年08月10日

鹿児島県野間岬及び鹿児島湾内(3)~コトクラゲを探して~

  • 期間:2008年8月8日〜2008年8月15日
  • 場所:鹿児島県野間岬及び鹿児島湾内
  • 目的:深海生物 調査採集
  • 担当:足立


鹿児島県の東シナ海側、野間岬沖の海底(水深約 220~ 250m)には、2002年に座礁して命を落したマッコウクジラ 12頭が沈んでいます。
これらの鯨についての調査は2003年から継続的におこなわれており、今年が5回目の調査です。
はじめは死んだ鯨の肉を食べに、生きものたちが集まり、やがて肉が腐り、骨の中も腐ってくると、今度はそこに、特殊な生物たちが暮らし始めます。
「鯨骨生物群集」と呼ばれ、鯨の骨の上にしか見つからない、珍しい生物も出てきます。
足掛かりや、隠れ家の少ない海底に沈んでいる鯨の骨は、大海原に浮かぶ孤島のような存在なのでしょう。鯨骨そのもの利用する生物ばかりでなく、鯨を沈めるために巻いた網やロープ、錘のコンクリートブロックなどにも、さまざまな生物が隠れたり、付着したりしています。
鯨骨はやがて泥に埋没していくようですが、海底に突如天から降ってきた宝島を利用する生物の移り変わりを追っていくのは、とても楽しいと思います。

私は、3年前の2005年の調査にも参加させていただきましたが、その時に初めて、コトクラゲに出会いました。
採集して持ち帰ったコトクラゲを、水族館で約1年間飼育することができましたが、いつかチャンスがあれば、もう一度海の底のコトクラゲに会いたいと思っていました。
そこに、幸運にも今回の乗船のチャンスが訪れたのです!
さあ、どんどん移り変わってゆく鯨群集と、その周辺の生きものたち。コトクラゲを連れて帰って、再びみなさんにご紹介することができるでしょうか?

[きょうの写真]
ハイパードルフィン

(C)JAMSTEC(C)JAMSTEC


海洋研究開発機構(JAMSTEC)NT08-17 「なつしま/ハイパードルフィン」による鹿児島県野間岬沖 深海生物調査航海

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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