2009年04月12日

伊豆 小笠原弧・北マリアナ諸島沖(6)小笠原&北部マリアナの熱水噴出域調査航海日誌 4 / 根本

  • 期間:2009年4月9日~2009年4月21日
  • 場所:伊豆・小笠原弧 明神海丘と北マリアナ諸島海域 日光海山
  • 目的:深海生物調査
  • 担当:根本 ・ 北嶋


今朝5時ごろ目が覚めてしまった。きのう寝たのが12時過ぎてたのに・・・ 。
やっぱり少し緊張しているのかな??

明神海丘に来るのは私はもう5回目です。回数を重ねるたびに忙しくなります。
最初に来たのが大学4年生の春です。北里大学の学生だった私は、何となく面白そうと思って先生にくっ付いてこの「なつしま」に乗船しました。
それがまさか新江ノ島水族館に入って深海生物を扱うようになるとは・・・ 。
人生何がきっかけになるかわかりません。
あの時、「もう二度と深海調査船なんかに乗る機会はないだろう・・・ 」と思っていたんですけどね。
今でも深海調査に参加できるなんて幸せです♪

さてさて、早く起きすぎたので少し寝て6時過ぎにベットから出てデッキへ出ると、天気は良好!
去年、先輩の杉田さんと来たときには海も空も鉛色で全然南の海に来た感じがしなかったけれど、今回は違います!
青く輝く空!透き通る海!
船員さんのラジオ体操も爽やかです。

きょうの海域は明神海丘。海底にあるカルデラをもつ火山です。
水深 1,300mのカルデラの中では数百度の達する熱水が点在していて、本日の潜航は明神海丘のメッカである南東のチムニー群です。
ここには深海ヒバリガイがビッシリ生息しているチムニーがあり、その隙間にユノハナガニが暮らしています。

今回は学生さんがたくさん乗っています。
既に船酔いですでにダウンした学生さんもいらっしゃいますが、みんな元気になったり弱ったりしながら一生懸命仕事をしています。
そんな学生さんを見ていると、微笑ましくもあり、少しうらやましい気持ちになりますね。

そして私にとって衝撃的だったのが、乗船されている研究員のうち3名が私の出身である北里大学水産学部の先生方であることです。
あのころ授業を受けていた講義の先生と2週間近く同じ船にいることになるとはびっくりです。
単位を落とした思い出深い授業の先生もいらっしゃいます。そんなことを思い出していると自分も学生気分になってしまいそうです。

潜航中のようすは初乗船の北嶋さんの日誌をご覧ください!すでに素敵な文章を書いてくれています。
今回の潜航では、シチヨウシンカイヒバリガイやユノハナガニ、ネッスイハナカゴ、ハツシマレパス等、明神を代表する生物が採集できました。
残念ながら、私のターゲットとしていたオハラエビが1個体しか採集できなかったのが残念です・・・
が!
このオハラエビ、ちょっとアヤシイかもしれません。
後で顕微鏡でじっくり観察したいと思います♪

このように毎回「お!」と思うようなサンプルが取れるのが、深海調査の醍醐味です!
次の日光海山では何に出会えるのか楽しみです!

日光海山は明神からはかなり南に位置していますので、しばらくは移動日が続き、次の潜航は14日です。


海洋研究開発機構(JAMSTEC)NT09-05「なつしま/ハイパードルフィン」による伊豆 小笠原弧 明神海丘・北マリアナ諸島海域 日光海山 深海生物調査航海

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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