富山湾での潜航もきょうが採集日となりました。
私はあす、下船したらオオグチボヤと一緒に特急に乗り、“えのすい”へと帰ります。
さて、本航海も終わりになるのですが、ここで特別企画です。といいますのも、この航海日誌は毎航海、原則首席のご許可をいただいた後にアップしています。
今回は首席より
「研究者や船員も紹介してみたら」
とのご意見をいただきましたので、初の試みとしまして首席のご紹介をしようと思います。
本航海の首席研究者はJAMSTECの三輪博士です。
名前を聞いた方も多いと思います。
よくテレビに出ています。
三輪博士は新江ノ島水族館ができる前からお世話になっております。深海コーナーを作るにあたってのアドバイスや、化学合成生態系生物の展示や飼育についてもご教授頂いております。
水深 2,000mと同じ水圧環境を保てる球状の水槽DEEP AQUARIUMの開発者でもあります。
最近では、深海生物展でも展示しましたニンテンドーDS専用深海生物飼育ソフト「ディープアクアリウム」の監修も勤めました。
本航海では、オオグチボヤの分布とカメラを使用したオオグチボヤの観察を試みております。
富山湾と一口に言っても相模湾のように海底のようすはさまざまです。オオグチボヤはいるところにはたくさんいますが、いないところには全く現れません。
また、オオグチボヤを飼育していると、よく口(入水孔)をパクッと閉めたりしますが、これを海底ではどのようなタイミングで開閉しているのかなど、カメラを設置してようすを調べるそうです。
今回添付しました写真は、首席自らお勧めの一枚をいただきました。直江津にふさわしい天地人スタイルでの航海日誌ご登場、そんな三輪博士からの一言で、
「今週のとある科学番組に出演しますので見てね」
とのことでした。
私も下船後の楽しみにしたいと思います。
おしまい
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)NT09-16「なつしま/ハイパードルフィン」による富山湾オオグチボヤ調査航海
新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。