下船日がやってきました。
きのうは最終潜航日で、2回相模湾を潜り調査をおこないました。
数日前までの荒天やトラブルもなんのその、後半は順調に潜航ができ、怒涛の追い上げで研究者たちの目的も達成し、すべての調査を無事終えることができました。
1日に 2潜航おこなうと、船内はあわただしくみんなそれぞれの業務に追われます。
しかも下船の前日ですから、次の日の朝までに仕上げなくてはならない仕事がたくさんあります。ほとんどの人は睡眠もろくに取れなかったのではないでしょうか。
ちなみに、私は2時間寝ることができましたが、根本さんは徹夜でがんばっておりました。
そして、今航海の下船には、朝10時までに水槽などを設置しているコンテナラボを空にしなくてはならない、というタイムリミットが課せられていました。
次の航海で使う機材を、コンテナラボがある位置に積むのだとか。
着岸したらハイパードルフィンやコンテナラボはクレーンに吊られて我々と一緒に下船です。
下船日は朝4時に根本さんとコンテナラボに集合です。
まず、水槽周り以外の道具を片付け、ラボの外に運び出します。
そして、生き物を細かい場所毎、種類毎に袋にパッキングし、空いた水槽から順々に洗いつつ片付け、運び出し・・・
いつのまにか船は横須賀に到着していました。
江の島から、朝早くより北田リーダーがお迎えに来てくれました。
「片付けに時間がかかるので、ゆっくり来てくださればいいですよ。」
なんて連絡してはいたものの、早く来てくれたおかげで作業はピッチを上げてラストスパートです。
最後はお世話になったコンテナラボを大掃除して・・・
なんとか時間に間に合いました。
陸にはすでにハイパーがおろされていて、予備機と 2台並んで整備作業がおこなわれていました。
一週間おつかれさま!ありがとうございました。
私たちは別れを惜しみつつ、なつしまを後にしました。
航海はこれで終わりですが、水族館の腕の見せどころはここから。
長期飼育と繁殖を成功させるために、水族館の設備と私たちの腕(・・・がんばらねば!)を駆使して研究を重ねます。
良い結果をみなさまへ報告できますように。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)NT10-08「なつしま/ハイパードルフィン」による相模湾初島沖、伊豆・小笠原弧明神海丘深海生物調査航海
新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。