8月1日よりテーマ水槽がスタートしました。
これまでにないマニアックな展示、かつて生体展示されたことがない生物ばかりです。
さて、さまざまな海辺の昆虫を採集してきましたが、
「あれ、海で泳ぐ昆虫はいないの?」
と思われた方もいるかと思います。
今回は万を持して、海水に棲む昆虫の採集です。
その名も「ウミアメンボ」です。
海の上をすいすいと泳ぎ、体に密生した銀毛は空気をため込めるため、水没時のボンベと浮き輪の役割を果たします。
産卵も海に浮かんだ板きれやタール塊?にするという生粋の海棲昆虫です。
今回は、辻堂海岸で数回行った落とし穴トラップで1個体だけ採集されました。
恐らく、大波でたまたま砂浜に打ち上げられた個体が捕まったのだと思います。
ちょっと浮力のバランスを欠いていましたが、採集時は生きていたので、すぐに撮影を依頼しました。その映像は当館のHP上で、標本にした採集個体はテーマ水槽下段中央の水槽で、それぞれご覧いただけます。
もう一つは「ケシウミアメンボ」です。
こちらはウミアメンボよりさらに小さく、大きさは 1~ 2mmしかありません。
江の島の漁港のすみの方、水面がほとんど波打たないような場所で群れていましたので、水ごとすくって採集してきました。
現在、テーマ水槽で生きた状態でご覧いただけますので、備え付けの虫メガネも駆使して観察してみてください。
きっと「こんなに小さいのか!」と思われることでしょう。
拡大した写真も併設してありますが、ちゃんとアメンボっぽい形をしていますよ。
さて、次回は海で泳げる昆虫です。お楽しみに。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。