2011年09月25日

沖縄トラフ(2)なつしま航海2日目

  • 期間:2011年9月24日~2011年9月27日
  • 場所:沖縄トラフ(伊平屋北海丘)
  • 目的:深海生物調査
  • 担当:杉村


本日航海2日目。
きょうも朝から曇り空。フィリピン沖の台風17号の影響か、風とうねりがあります。
でも昼頃には、日の出てきて暑くなりました。
台風のせいか若干じとっとしてますが、それでも江の島に比べるとカラッとしてますよ。

さて、この航海では無人探査機ハイパードルフィンを潜航させての調査を行っていますが、この無人探査機のコントロールルームについてちょっとお話しますね。
コントロールルームは「なつしま」の最上階3階の外デッキのコンテナの中にあります。
この部屋にはハイパードルフィンを操作するための数台のコンピュータやモニターがひしめき合っています。
しかもこの機械たちはものすごい「熱」を発します。
その熱で機械自体が壊れないように、逆にものすごく部屋全体を冷やしています。
部屋の外は暑いのですが、中では長袖や上着を着ていないと風邪でもひきそうなくらいです。
ちなみにコンテナの大きさは10畳程度、ここに機械をどっさり、人もグッチャリ(約15人)です。
調査はなんとも過酷です・・・。

が、そんな過酷さを吹っ飛ばしてくれるものがあります。
そ・れ・は・・・ 沖縄トラフ深海1000mの世界です。

1時間近くかけて水深 1000mに達すると、さっそくゴエモンコシオリエビの巨大コロニーがお出迎えです。
真っ暗な海底に真っ白なゴエモンコシオリエビたち、まさにモノクロの世界には入り込んだ様です。
チムニーの周辺にたくさんのゴエモンコシオリエビやオハラエビの仲間が集まって大集会をおこなっています。
みんなゴソゴソモゾモゾ動くので、本当になにやら世間話や話し合いでもしているようです。
その先には数メートルの巨大なチムニーが東京タワーのような姿でそびえ立ち、あちこちから熱水が噴き出しています。
熱水の周りには、イトエラゴカイの仲間や深海性のフジツボの仲間も見ることができます。
本当に熱水噴出口の周りには多種の渡る生き物たちが集まって、大きな生物群集をつくっているんですね。
改めて地球の偉大さを感じました。

前回の小笠原沖の深海とはまた違った熱水域の姿を見ることができました。
きょうのお日様に感謝!感謝!

さて、あしたはもう調査最終日です。
予定通り海に問題がなければ、午前中に調査を終えると再び那覇へ向かって出航です。
いやはや、何とも台風15号が恨めしい・・・。

でも、沖縄トラフの深海の姿を見ることができてよかったです。あしたもがんばるぞ!!

では、また。

[きょうの写真]
ハイパードルフィンの潜航のようす

(C)JAMSTEC(C)JAMSTEC


海洋研究開発機構(JAMSTEC)NT11-19JAMSTEC「なつしま/ハイパードルフィン」による沖縄トラフ深海生物調査航海

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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